片方だけ
止まらない
待つしかないから
黙ってしまう
目の当たりにする全てを
洩れなく捉えたまま
ゆっくり忘れてあげる
なかったことに
なっておくれ
どんな手品よりも
素晴らしく
タネも仕掛けも夢>>続きを読む
選べなかった
だから
選ばされた
そんなことだろう
限りある声の中
含みを持った
子守唄
いずれ遠い何処かで
同じ吐息で眠る
よく似た君に捧げたい
その優しさは
どんな由来なのか
知る権利が
ある>>続きを読む
失くしただけならば
見つければいい
じゃあ、
あなたのことだったら
どうすればいいの
幽かな影すら
消えてゆく
呼びかける声はなく
倒叙形式に則って
紐解いてみれば
ありふれた結末にだって
心は動>>続きを読む
要らないと言ったのは
そっちだったのに
黙っていれば
もうそれまでなのか
消えた光に
細めた目
遠くなってゆく
誰かのせいにしたままでも
わりと暮らせてしまう
二度寝のついでに
夢と混ざって
あと>>続きを読む
振り向かない
それだけが
最後の意地だった
今さら
冷たい雨
降り頻る中でも
濡れない頬
やっと
君に逢えるんだね
写真のようには
笑えないが
とっても嬉しいんだ
ずっと
もうずっと
願っていたけ>>続きを読む
朝になる瞬間が嫌い
カーテンを閉めていても
目を瞑ったって
容赦なく光は満ちてくるから
なす術もなく
私はまた
黙ってそこに落ちる
知らない方がよかったと
後で思うくらいならば
忘れてしまう方が>>続きを読む
最悪から考えた
だからかな
その涙にもきっと
道筋があった
愛の複数形
それは
まだ誰も知らない
目を瞑ったまま
二人になる
離した手から手へと
送り合う何か
暗闇が
光を食う
それだけが真実にな>>続きを読む
君が幸せだと
僕も嬉しい
そんな気持ちのことを
何というのだろう
果てしない旅
振り返る度
思い出を滲ませる膨らみ
際限なく
遠くまで行きたいと
道を捜すけれども
そういうものは
いつか何処かに繋>>続きを読む
きっと全ての音楽が
等しく知る海を
眺めるだけで
涙が止まらなくなるような
誰かのことを
ふと思い出す度に
また流れる
欲しかったのは
いつものこと
欲しがったのは
誰かのもの
曖昧であるべきなの>>続きを読む
大事なものであればあるほど
壊れないようにと
もっと大事に扱うけれど
それを優しさとは思えない
三度目にして
ようやく叶った夢が
何故か懐かしい
この街は
転がりながら
変わったふりをする
厚塗り>>続きを読む
それでも私は
向き合わずにはいられない
いつか悔やむとしても
今を蔑ろにしてまで
知りたい明日なんてない
何かの割れる音で
目を覚ました
朝というにはまだどこか
冷た過ぎる光の中で
幽かに灯る>>続きを読む
暇つぶしに
点けた火では
汚らしく
ただ燃えるばかり
夜空に
押しつければ
星が焦げてくすぶった
消せない
こんな新品の灰皿に
捨てるような
吸い殻はないと
今さら思ったところで
減ってゆく時間と>>続きを読む
ならば愛に
代えてでもまだ
信じてみたい
そんな世界だったら
降り頻る
その雨は堕ちる
帰るように
願いが叶うのはいつも
それを忘れないで
握りしめたまま
唐突に来る
いざという時でも
そんな時こ>>続きを読む
名前のついた嘘を
何度も呼んだら
振り向く素振りだって
見せてくれる
誰かのため
そんな理由の一つも
語らないくせに
そこで立って
ただ黙って
いつまで待っていればいい
繰り返し迫る波の如く
タイ>>続きを読む
悲しい人だね
遠く延びる影に
そう言って
笑った
つもりではいるんだ
背中に添えた手
赤く残る痕を
また知って
なぞった
代わりなどないんだ
滲む世界
好きなだけ
かき混ぜて遊ぶ
平穏に潰される>>続きを読む
夢であれば
せめて
目覚めの悪さくらいで
諦めもついたのか
遠ざかる光まで
追いかけようとは
思えない
いつになく
深く潜る
もうこのまま
止まった息の中で
叫ぶ声
響くこともなく
泡になって飛ん>>続きを読む
口約束のまま
忘れてしまっても
叱られることなんて
きっとない
それに似ていて
終わらなかったとしても
何も変わらないたぶん
それでも
祈ることは
やめられないのが
自分らしくて
そこは好き
運命>>続きを読む
奇跡を笑う
誰かの隣りで
黙って
見つめていたい
輝きの粒
一つだって
零れ落とさないように
駆けるのは
そこに何かしら
間に合わせたいものが
きっとあったから
いつもよりも
少しだけ
涙脆くなっ>>続きを読む
背に羽はなく
まだ空は
果てしなく遠い
私には
叶えられる
夢の一つでも
あればよかったのに
声になるのは
いつだって
湿っぽいだけの寝言と
冷たい溜め息ばかり
聞き耳を立てる
無口な月
自分の肩>>続きを読む
もう二度と
今日は来ない
遠い先で
振り返ったところで
目が合うことはきっとない
できるだけ
愛を詰め込む
隙間という隙間に
旅立ちに
捨て台詞なんて
似合わない
黙ったままで
過ぎ去ってゆく背中>>続きを読む
結びたかった
あの片方の手に
今は違う花
嬉しそうに咲いている
追いかけても
間に合わなかった
季節通り
号泣の空に
透明な傘
また目が合った
その時
ただ頷くだけでも
判ってくれる
そんな人だっ>>続きを読む
薄い水面に
花びらが落ちて
ひび割れても
戻ってしまうのに
何度もこの手でかき混ぜる
酒にも酔えず
好きな唄
洩れ聴こえてくれば
そうなのか
大人はいつも
泣き損ねたままで
仕様がない
机上のスペ>>続きを読む
欠けた記憶ほど
よく語る
埋められない
大きさを知るから
願うばかり
無地の夜
離れ離れでも
静かに脈を打つ
その途中で
逆を見る
不思議を一つでも
減らしておきたくて
潤んだ世界に
さよならを言>>続きを読む
涙には
溶けきらない
愛しさの成分が
浮かんでは弾けて
潔く割れながら消える
数えられるくらいならば
暇潰しにでも
するつもりだったのに
抑えられなくて
呑み込んだ
もう勢いに任せて
忘れてしまお>>続きを読む
唐突に
語り出せば
終わりに向かう
列は途切れる
立ち止まる交差点
緩やかな熱
草臥れた足音
その手を掴んだ
きっと選んだ
あの幾つかの中から
誰にだって
信じたいものの一つや二つ
あるということ>>続きを読む
簡単に眠れるなんて
いつぶりだろう
と考えながら
布団の奥へと沈んでゆく
もう二度と
醒めない夢の中でも
呼吸は止まない
不自然に
心ゆくまでは
黙っている
届かないくらいが
ちょうどよかったのに>>続きを読む
命らしく
そのままで
輝こうものならば
ここでお別れ
優しさの代名詞
愛と勇気
もうそろそろグッバイ
信じられないんだ
それもそうか
他人事だからね
いつまでも
涙ながらに語った言い分
傍から見れ>>続きを読む
そして
背を向けた
あっちも
輝いていたから
まだまだ遠い空の色
忘れられず
心許ないからかな
泣いてばかりの
この頃は
理由だけを捜しながら
わざとらしく迷った
いつもの道
逢いたかったんだ
多>>続きを読む
思い出を並べた
窓際の本棚
模様替えで動かせば
埃と共に見つかった写真
その度に開かないと
忘れてしまうようなものでも
こんなに恋しい
知らなかった
そんなことばかり
笑っていいのか
判らないのな>>続きを読む
切り取れば
幾つでも
物語は生まれる
この今だって
その笑顔に忍ばせた
遅効性のばい菌が
思い出の中で猛威を振るう
勝てない
そう知って
初めて
痛みを伴って
ぼろぼろのままに
天を仰ぐ
泣いても>>続きを読む
それぞれに泣く夜
人知れずとも
やがて流れ着く先には
きらきらと
舟に引かれた光
その色は
七つどころではない
ここから一番遠い雲を
今日も静かに見つめている
何かの拍子で
降りかかってこないかと>>続きを読む
判りきったことを
敢えて何度も
確かめたかった
嬉しくて
花と散り際
抱かれるようにそっと
見つめ合いながら
空をかける
流れる風を詠み
滑り落ちれば
好きだったことまでも
忘れられるだろうか
ま>>続きを読む
そのさようならを
私は見ていない
雨の溜まった水槽の底は
思ったよりずっと昏い
手探りで
掴んだつもりの
左手の袖口
やっていることは
変わっていない
知らないことだって
数えきれない
折り畳んだ>>続きを読む
同時に
落ちてはくれない涙
ばらばらに
流れたその先で
一つになる
美しい始まりにはまだ
足りないものが
多過ぎる
然らば諸共
そんな拠り所
知らずに
頼り切ってしまい
引くに引けなくなっている>>続きを読む
巡り逢い
そして
また
別々の方へ
それが一回転
脚色に個人差はあっても
同じ結末を知っている
涙に譲った
クライマックス
幕が下りるまでは
拭わない
自分で決められない
だからこそ
自然に泣きた>>続きを読む
安らかに眠る
横顔に語る
あれはいつかの思い出
捨てたりしないで
半分だけ
消した灯りに
写る夢
涙ぐんでも
決して落とさない
それはきっと
取るに足りない
優しいだけではもう
何も守れない
それ>>続きを読む