nosexxxさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)

-

遊覧船に触れる夕日
漂う紫煙の向こう
切り取れば
それらしい絵になるのに

休めた羽がまた濡れる
汀の悪戯
誰かの思惑だったら

忘れてしまった
本来の声で
明るく呼びたかった名前
遠く離れた分だけ
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あちらにいる鬼(2022年製作の映画)

-

風に吹かれていれば
ただ揺れるまま
藍に染まって
行く行くは迷彩になる

見えなくなるのと
知らなくなるの
どっちかな

おどけてみせたつもりが
もう引けない所から
戻ってこられない
摘まれた時点で
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Pearl パール(2022年製作の映画)

-

美しさの角に来て
私は振り返る
徐に曲がってしまえば
気づかれる

伸ばした手が掴んだもの
それをずっと確認もしないまま
握りしめている

知らなければきっと
終わることも
そもそも
始まることだって
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教育と愛国(2022年製作の映画)

-

そもそもが
そろそろ
この頃なんて
今さら

知りたいことはないけれど
知らなくてもいい
それだけは違うから

欠伸の中に熔けていった
ふと浮かんだ夢
新鮮さが損なわれてしまう前に
時間切れとなって
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シュシュシュの娘(2021年製作の映画)

-

夢は熔ける
形を変えながら
まとわりつく
だからいつも重たい

知っていることばかり
なのに
知らないふりばかり

行方不明の心
そもそも
初めから在ったのかも
疑わしくて
立ち止まってみる
ならば何
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69 sixty nine(2004年製作の映画)

-

走るにしても
理由が要るなんて
だから嫌だった
熟れること

真っ青なまま落ちる
譬え腐ろうとも
それは本望だっただろうに

いつかきっと
このテープも切れて
撮り零してしまう
そんな瞬間こそ
美しい
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

-

閃きの中に
ふと訪れる懐古
流されるよう
赦されるよう
舵を切りたくなる

説明を省いた挨拶よりも
やはりもう一度
初めから知りたくて

そのための
グッバイ
新しい気持ちで
また逢いたい
そのための
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五月のミル(1989年製作の映画)

-

落とし所を捜す
空は変わらず高く
陽射しに撃ち抜かれれば
一溜まりもないけれど

青に染めて
誰も彼も
隣りの芝までも

美しかったとはいえ
決まる消え方
五月の雨が
いつまでも肩を
濡らしてはいない
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死体の人(2022年製作の映画)

-

新鮮な溜め息は
もはや分身
体温通りの湿っぽさが
窓硝子を曇らせる

もう少し外を眺めていたかったな
眩しいだけの部屋からは
暮らしがよく見える

返しそびれたタッパー
宛名だけが同じ封筒のタワー
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靴ひものロンド(2020年製作の映画)

-

引き返すなら今だし
だからこそ
多少の痛みならば
目を瞑らなきゃ

苦い味の長く残った珈琲
きっと急いで飲んだせいかな

理屈は無口なまま
何とか押し切ろうとするものだから
今夜限りの宴になった
もう
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グッバイ、レーニン!(2003年製作の映画)

-

優しくなれるのならば
涙だって流せると
それは強がりなのか
でも笑っちゃう

久し振りに使った絵の具は
固まって出てこなかった
これもそう

或る日突然なんて
作り話によくあって
でもそれは多分
常に
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君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

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夜の奥まで
迷い込んだ日のことを
今でも憶えている

騒ぐ星影
睨みつける目のことを
確かに憶えている

心が幾度と割れようとも
セロハンテープを使えばまた
元通り
だったのに

そんなことをしていた
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大名倒産(2023年製作の映画)

-

思い出に混じる
不純に見えた
その色のことばかり
この頃は考えてしまう

少しでも加わったのならば
消える筈もなくて
薄めるか
また重ねるしかない

一筆書きにしなくても
繋がっていれば
何とかなるさ
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ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

-

せせら笑う
声がする
耳の奥で響く
イマジナリーで
オリジナリティーな物語

アイは愛になった途端
愛ではなくなってしまうんだ

痛いくらい
同じところが
もうずっと痛い
判るを通り越して
もうずっと
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ポテチ(2012年製作の映画)

-

諦めは潔く
まだ深く
打ち寄せる波に
足は取られないよう

汀に落ちる貝殻を
捜しながら

囁く声は
沈黙に混ざる
消えることはないけれど
それは美しい私語
独り言にもなりきれていない
投げかけたよう
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

-

罪も罰もなく
落ちるところまで
落ちるからには
土産話の一つでもないと

いつか君の
ユーモアに救われたってさ
手紙にでも書こうかな

回り続ける
星に一発
止まる訳もないのに
このくらいの
ネジの飛
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淪落の人/みじめな人(2018年製作の映画)

-

夢のまま
醒めなければ
気にすることも
多くはない

嘘のまま
飽きなければ
気にすることも
多くはない

優しさとはいつだって
外からやってくる
それがあなただったからとか

痛みに慣れたら
楽にな
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

-

結末にしても
感動は要らない
落ちる涙が
勿体ない

物語が終わる時には
ただそっと
その本を閉じるように

一秒
そして降り積もる
途切れることは
そうそうない
一生
やがて舞い上がる
千切れること
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波紋(2023年製作の映画)

-

晴れた日に買った傘が
雨を知る頃には
影も先に帰っていて
あとは長い独り言

道を尋ねられたのならば
どうぞ道すがら
また遠回り

そうして全てが
一つの海へ
ぞろぞろと行き着く
「ただいま」もなくて
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

-

通り一遍の運命に
落ちる紙吹雪
祝福とは裏腹に
夢を見る

傾けた世界を滑るのは
歪んでいないビー玉

願うだけ滲む
美しい影
乞うが故に
結ばれることのない糸
まだ知らない癖に
諦めてしまう前にきっ
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

-

消えないままで
在り続けるという星
何を照らすでもないけれど
光を抱く

回っていなくても
また巡り逢えることを
信じている

軽々しくは言えない
大事な言葉ばかり
ポッケに詰め込んでいるから
少し歩
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ストレイ 犬が見た世界(2020年製作の映画)

-

それが何かは
判らないけれども
違うということだけは
判るような気がする

好き嫌い
そんな単純でもないから
とどまらない

終わらすことはできる
それがどんな形でも
ピリオドは打てる
なのにそうなら
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破戒(2022年製作の映画)

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綺麗な顔をしていると
二度とは見られぬ
青空のことを
ふと思い出してしまいそう

誰ともなく
名を呼ぶ声の方
いつかの

私から目を離すと
まるで遠い国の話かのように
ただそこで
じっとしている
ああ
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オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

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輪廻で漕ぐ舟
進みながら沈めて
届くだろうにも
日は暮れる

言葉足らずだったらば
終わるまで待つわ
その旨を

答えなんてきっと
誰かの設え物で
こちらの応えまでも
整っている
その方がずっと楽だか
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アキラとあきら(2022年製作の映画)

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灼けた背中に
煙は立たず
それでも焦げた
はらわた

ほんの少し
ピントがずれるだけで
喜劇

ひらがなで語り合いたい
言葉が緩やかに
解けてゆくように
等しく時間をかけて
ひらがなで語り合いたい
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ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)

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黄昏れは気まぐれ
その深さまで
降りてみないことには
熱も出ない

手を繋ぎたいだけだった
空を切った爪が光る
刺さる

世界は全て
何処かでちょっと
重なっている
それは山折り谷折り
象ればどうにか
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

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空に触れるには
この手を伸ばすこと
指先に感じた
風が尻尾

目を瞑れば
むしろ世界は広がって
ただそれでも

しっかりと見たい
この世界のグラデーション
際限のない青の向こう側
行ってみないと
溜め
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KAPPEI カッペイ(2022年製作の映画)

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一日の長さに驚きながら
温い溜め息を洩らす
あっという間とは
つまり永遠の端

終末に限って
愛を語る
句読点も忘れるように

痛いだけならば
涙に代わる
染みついてしまえば
懐かしくなる
どうなるこ
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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

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時の通りに
逆らうこともなく
流れてゆけば
辿り着いた先に
待ってくれているはず

青に向かって
回れ右
手を引かれた遠回り

どうせ何処かで
繋がっているんでしょ
終わりと始まりが
繰り返すように
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三姉妹(2020年製作の映画)

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嘘つきになりたい
それはきっと
どんな嘘よりも
ずっと純粋

町を蹴る
靴底に挟まる小石にまで
泣かされてしまう

仕方ない愛
何かと理由をつけては
目を瞑ったのに
いつまで
使い走りでいるのか
いれ
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ふたつの部屋、ふたりの暮らし(2019年製作の映画)

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陽だまりのカーテン
膨らんだまま
影がひとりでに
踊り出す

同時に生きている私たち
あの頃に手を引かれ
いつもつられ

憶えていたのか
忘れられなかったのか
危なっかしいけれど
どこか美しい
そして
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さよなら、ベルリン またはファビアンの選択について(2021年製作の映画)

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雨がないと
傘は要らない
本当にそうなのか
改めて確かめる

夜は巡る
望まない順番通り
月の代わりに

もう二度と
物語にはしたくない
容易く忘れられる
如実に美しい
それだけ
ただそれだけの風景画
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怪物(2023年製作の映画)

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降りかかる火の粉に
僅かでも触れてしまえば
生き物のように
呻き始める

著しいその成長速度からは
想像もできなかった
形を見せてゆく

もくもくと盛りながら
やがて何もかもを
食べ尽くす
燃え上がる
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渇水(2023年製作の映画)

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水は重たいね
当たり前のようなことを
そうして思い出す
この涙にも

独り分
決められた流れがある

指で追って
目で追って
帰ってくる頃には
元通り
ここで待って
まだ待って
願っているだけでは
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