富樫鉄火さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

富樫鉄火

富樫鉄火

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おもいでの夏(1970年製作の映画)

4.0

#158 ワーナー35mm大会
数十年ぶりに再鑑賞した。
1970年に、戦争真っ盛りの1942年を描くということは、戦争の記憶がある観客が対象だったわけで、それを思うと、単なる青春映画とは、かなりちが
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007/ ロシアより愛をこめて 4Kレストア(1963年製作の映画)

5.0

#157
子供のころから、おそらくもう、20回くらい観ているのだが、まったく飽きない。
VHS、LDを経て、DVDも何種類も持っている。
なのに、また行ってしまう。
まさか4kを大銀幕で観られるとは。
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ガッジョ・ディーロ デジタルリマスター版(1997年製作の映画)

4.0

#156
あまりに強烈なロマの習慣や音楽に、いままで観てきたどんな映画ともちがう、独特な感触と個性を感じた。
若い主演2人だけがプロ俳優らしいが、そのせいか、ドキュメント的な面白さもあった。
かつてア
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ジャム DJAM(2017年製作の映画)

4.0

#155
いかにもこの監督らしい、ユニークなロードムービーだった。
時々、なんでこういうことになるのか理解しにくいトラブルもあるが、音楽の魅力と、難民や移民、ギリシャ経済破綻の問題も盛り込まれており、
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007/私を愛したスパイ 4Kレストア(1977年製作の映画)

3.5

#154
封切り時は、すでに間が空いていたので、あまり気にならなかったが、これは、昨夜観た『二度死ぬ』と、ほぼ同じストーリー(監督も同じ)。
唯一ちがうのは、ソ連の女スパイとからむ設定だが、これも『ロ
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007は二度死ぬ 4Kレストア(1967年製作の映画)

4.5

#153
まさか、コネリーボンドの4Kを、大スクリーンで見られるとは夢にも思わなかった。
時間経過や土地関係など、ロアルド・ダールの脚本はすべてがご都合主義で、ウルトラ級の荒唐無稽ぶり。
なのに、面白
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ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン(2018年製作の映画)

3.0

#152
一瞬たりとじっとできない多動画面で疲れたが、出てくるキャラクターがユニークで、飽きなかった。
グリンカのオペラで有名な、プーシキンの物語詩『ルスランとリュドミラ』が原作だが、大頭やフィン、小
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

#151
芝居『リチャード3世』や、アル・パチーノの映画『リチャードを探して』のファンなので、期待して観た(イアン・マッケランの映画公開時、パンフ解説も書いた)。

これは、つい最近の大ニュースで、い
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

#150
バレエやダンスで挫折から再生する映画はいままでにも多かったが、どれもエピソードが劇画的すぎた。
そのため、観ているときは面白いのだが、しばらくたつと、特に再鑑賞したいとは思わなくなる。
それ
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.0

#149
『漂流教室』と『奇子』を合わせて、宮崎や新海世界に落とし込み、『何かが道をやってくる』のテイストをまぶしたような作品だった。

よって新鮮味が感じられず、相変わらず「あちらの世界」と「こちら
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

4.0

#148
意外と長回しが多く、そのせいか、さほど強烈なセリフや動きがあるわけでもないのに、ひさびさに画面に集中できる映画だった。
あたしも若くないので、アクション映画でもないかぎり、たいてい、一瞬ウト
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バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

#147
とてもいい題材なのに、妙にあれこれ盛り込みすぎて、その一方、中途半端な部分が多く、散漫な印象になってしまった残念な映画。

そもそも、漆塗りについて、もっとちゃんと教えてもらえると思って観に
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ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった(2019年製作の映画)

4.0

#146 ピーター・バラカン音楽映画大会

つい先月亡くなったロビー・ロバートソンの自伝とインタビューを中心にした、ザ・バンドの結成から解散までを描いたドキュメンタリ。
当然ながらロバートソン中心の内
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クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド(2022年製作の映画)

5.0

#145 ピーター・バラカン音楽映画大会にて

ライブ映像の傑作!
小学生時代、TBSラジオ「小島一慶のヤングポップス1010」で、毎晩のように流れていたCCRは、あたしの洋楽ロックの原点。
そんな彼
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春に散る(2023年製作の映画)

4.0

#144
原作小説、および沢木耕太郎のファンなので、恐る恐る観に行ったが、たいへんよくできていて、驚いた。
あの長い物語から枝葉をカットし、後半の要旨のみに絞った脚本が見事。
また、キャスティングが完
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

#143
よくこの題材を商業映画化したものだと感心した。
この企画に参加した役者やスタッフに敬意を表したい。
祖母が、「関東大震災では、地震よりも、その後、町内会の男の人たちが、一晩中、朝鮮人探しで叫
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⾼野⾖腐店の春(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

#142
病院での騒ぎ〜警察〜父の許しまででほぼ90分。
ここをクライマックスにするべきだった。
せっかく藤竜也が頭を下げる名演で泣かされたのに、「え、まだあるの?」と感じた。
どうしても、このあとを
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精霊のささやき(1987年製作の映画)

2.5

#141 逝ける映画人
90分、集中して観るのがつらかった。
幻想、前衛風画面に必然性や説得力が感じられず、いまさらながら、寺山修司のすごさが思い出された。

メッセンジャー・ボーイ(1986年製作の映画)

3.0

#140 ソ連大会
虚言癖なんだか単なる奇人変人なんだか、小出版社でボーヤをつとめる妙な青年が、兵役に行く前のモヤモヤした状態を淡々と描いた作品でした。

想い出の夏休み(1975年製作の映画)

4.0

#139 ソ連大会
林間学校でのひと夏、少年少女たちを点描した他愛ないスケッチ集なのだが、みんななかなかの美少年美少女ぶりで、見ていて飽きなかった。
とにかく音楽が素晴らしく、これ、サントラないのだろ
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.5

#138 ロバート・アルトマン大会
本興行で行けなかったので、下高井戸に行ってみたが、大混雑。
近所のシニアご夫妻とおぼしき方までが、そんなにアルトマンが好きなのか、ちょっと意外だった。

本作は、そ
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座頭市二段斬り(1965年製作の映画)

4.0

#137 逝ける映画人 井上昭
この監督は、構図やカメラワーク、編集が凝っていて、時々、ATGを思わせるようなカットがあって面白い。
そんな監督の追悼で本作を上映するところは、さすがフィルセン。
勝新
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

#136
相変わらず見せ場の連続で、よくまあ、ここまで楽しませてくれるものだと感心する。
だが、あまりにアクション優先の構成なので、イルサの一件など、重要なドラマ部分がいささか軽々しく感じてしまう。
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

4.0

#135 台湾巨匠傑作選2023
『熱帯魚』『ラブゴーゴー』につづき、チェン・ユーシュンの傑作。
よく、こんな話を考えつくものだと感心する。
ひとつの出来事を複数の視点で描いて真実を描いてゆく「羅生門
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SAND LAND(2023年製作の映画)

5.0

#134
これはほんとうに楽しい、「漫画映画」の傑作!
いまさら口に出して言うのも恥ずかしい「夢と冒険」を、これほどまっとうに、真摯に描いたアニメはないのでは。
あたしのような手塚世代は、漫画のキャラ
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玉割り人ゆき 西の廓夕月楼(1976年製作の映画)

3.0

#133 逝ける映画人 牧口雄二
#132の続編。
今度は金沢が舞台で、やはり、玉割り人のゆきが、一般男性とむくわれない恋にもだえる話。
『仮面の忍者赤影』の坂口祐三郎が出ていた。

玉割り人ゆき(1975年製作の映画)

3.0

#132 逝ける映画人 牧口雄二
高校のとき、初めて買った「月刊シナリオ」誌に、この映画の脚本が掲載されており、こういうものを堂々と雑誌に載せていいのかと驚き、どうやら映画の世界は自由で面白そうだと思
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少年(1983年製作の映画)

4.0

#131 台湾巨匠傑作選2023
こんないい映画が、劇場公開されていなかったとは意外。
いわゆる「少年時代」もので、ここから『風櫃の少年』『童年往時』につながっていく、その原点の物語(主演少年は、『風
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ラブゴーゴー(1997年製作の映画)

4.0

#130 台湾巨匠傑作選
『熱帯魚』同様、ここまで複数の人物をからませ、話をこじらせておいて、どう決着をつけるのか不安だったのだが、ユルイなりになるほどといいたくなる、見事なラブコメだった。
人生いろ
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東京裁判(1983年製作の映画)

5.0

#129
3回目の鑑賞だが、4kデジタル版は初めて。
これが戦中〜敗戦直後の映像かと驚く鮮明さで、感動した。

この映画のすごい点は、東京裁判の記録映像を素材にして第二次世界大戦の全貌を描き出そうとし
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裸足になって(2022年製作の映画)

3.0

#128
この監督・女優の前作同様、アルジェリアの内戦、治安腐敗、女性蔑視のなか、パフォーマンス発信に挑む女性たちの話。
あまりに前作と似た設定なので、あまり新鮮味はない。

今回は、その女性たちが発
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イノセンツ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

#127
ホラーはほぼ観ないのだが、『童夢』に影響受けたオマージュだというので行ってみた。
ところが、これは「影響」どころか、ほぼ「原作」「原案」。
チョウさんを男子に、悦ちゃんを3人の女子に変更した
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風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)

4.0

#126 台湾巨匠傑作選
1980年代半ばの台湾を描いていながら、あまり古さを感じさせない、とても普遍的な青春映画。
最初のうちは、人物アップが少ないせいで、どれが誰やらよくわからないのだが、やがてキ
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サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)

5.0

#125 逝ける映画人:金宇満司
ほぼニュープリントだった。
これはほんとうに素晴らしい映画で、原作はノンフィクションなのに、ちゃんと「劇映画」と「記録映画」の両方の要素を兼ね備えている。
現代のマレ
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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

4.0

#124
これは名作。
いったい、これほど交通と通信とキャッシュレスが発達した時代に、なぜ、青森までヒッチハイクしなければならないのか、設定に不安があったのだが、実に納得できた。
不自然さもなく、共感
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風が踊る デジタルリマスター版(1981年製作の映画)

3.5

#122 台湾巨匠傑作選2023
いわゆるアイドル起用のラブコメだが、アップもほとんどなく、プロポーズなどの肝心なシーンをサラリと流すなど、明らかにニューシネマのテイストで、心地よい映画だった。
男性
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