富樫鉄火さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

富樫鉄火

富樫鉄火

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さらば友よ(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

#5
てっきり金庫室からの脱出劇映画かと思いきや、そこからが主眼で、怒涛の展開が実に面白い。
さすがに、あれほどの大スターが2人並ぶと、それだけで絵になり、ほとんど歌舞伎を観ているようだった。
『禁じ
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ムーミンパパの思い出(2021年製作の映画)

3.5

#4
エンドクレジットから察するに、これは、1970年代の、ポーランドのTV?映像を再編集したものでは?
意外と超快速テンポなのは、そのせいか。
素朴なパペットアニメも味があったが、これは、アンドレア
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007/ サンダーボール作戦 4Kレストア(1965年製作の映画)

3.5

#3
この前の3作があまりに面白かったので、どうしても見劣りがする。
前半から、スペクターの犯罪行為の過程が全ネタバレ。
保養所の場面なども、かなり弛緩している。
しかし、以後おなじみのパターン(スペ
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恋の花咲く 伊豆の踊子(1933年製作の映画)

4.5

#2
活弁付きでは観ているが、完全サイレントでは初めて。
しかし、そのせいで、かえって本作の魅力が、よくわかった。

映画化された『伊豆の踊子』はすべて観ているが、美空ひばりと並んで、原作改変の本作が
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夜ごとの夢(1933年製作の映画)

3.5

#1
完全サイレントで観た。
新年第一弾。

カメラの寄りやパン、独特のモンタージュなど、意外と実験的シーンが多く、新鮮だった。
もし音声や音楽が付いていたら、すごい映画になっていただろう。
むかしか
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.0

#225 A24大会
本年最後の映画。
今年は225本観た。

期せずして、2日つづけてライカートを観た。
これまた、彼女独特の文法に慣れるまで、少々時間がかかって眠くなりかける。
だが、どうやら「
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

#224
以前、ライヒャルトと表記されていた監督の、寿ぐべき一般公開作品。
展開が静謐で、暗い場面が多いので、慣れるまで、どうしても眠くなる(冒頭後しばらく、場内、爆睡大会だった)。
あたしも、最初、
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源氏物語(1987年製作の映画)

3.0

#223 大人アニメ大会
アニメーションといいながら、動きが少なく、静止画をなめるようなカットが大半で、林静一の豪華画集だと思って観られるひとには、たまらないと思う。
あたしは、少々しんどかったが、
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月夜鴉(1939年製作の映画)

3.0

#222 返還映画大会
この時代のものとは思えない面白いコメディだが、新派の「戯曲」を、無理やり映画化したため、かなり、構成がぎこちない。
飯塚敏子は、まだ20歳代のはずだが、はやくもアゴがたるんでい
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METライブビューイング2023-24 ジェイク・ヘギー「デッドマン・ウォーキング」(2023年製作の映画)

3.5

#221
このような作品でシーズンを開幕させるオペラハウスがあることに、心底おどろく。
それだけ自信があるのだろう。
実際、すごい完成度だった。
ジョイスとライアンの歌唱はいうまでもなく、演技も驚異的
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西住戦車長伝(1940年製作の映画)

3.0

#220 返還映画大会
戦時高揚の国策映画で、陸軍省後援だけあり、戦闘場面のリアルさと長さが尋常ではない。
ただし、そのせいで、映画全体が冗長になってしまっていることも事実。
せっかく桑野通子を起用し
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

#219
まったく期待なし、予備知識ゼロで観たのだが、意外と面白く、驚いた。
下品なグロ場面の連続だが、骨子は王道ミステリで、ヒッチコック的な脚本が、よくできている。
キャスティングはいうまでもなく、
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屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

3.0

#218
世界観とキャラ設定の説明がいつまでもつづき、いつになったら展開が始まるのかと思いきや、突然クライマックスが来たような映画。
脚本の失敗ではないか。
絵もきれいで主要キャラも魅力的だったが、脇
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中島みゆき 劇場版 夜会の軌跡 1989~2002(2023年製作の映画)

-

#217
20年前にDVDで出た映像をデジリマしたものだが、元映像が荒いからとはいえ、これでリマスターかといいたくなるほど、ひどい画質。
それ以前に、なぜ、いまになって、これを劇場公開するのか、理解で
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

-

#216
横溝正史に、手塚治虫『奇子』や、水木しげる『総員玉砕せよ!』を足して妖怪仕掛けにし、お決まりの空中戦にしたような話だった。
原作どおりでないことは仕方ないが、あそこまで「実は○○だった」が続
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戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

5.0

#215
デジタルになったというので、封切り以来20年ぶりに再鑑賞。
これは、とてつもない映画で、かなりショッキングな場面もあるが、ぜひ高校の芸術鑑賞会などで上映してもらいたい。

観ていて、この主人
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.5

#214
冒頭、ワルター代理デビュー〜『オン・ザ・タウン』と続くので、レニー・ファンとしては大期待したのだが、以後は、ファンなら誰でも知っている、あの夫婦特有のゴタゴタ物語で、新鮮味ゼロ。
「音楽家」
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オーソン・ウェルズの オセロ(1952年製作の映画)

-

#213 文学と映画大会
若いころ観て、すごい映画だと感動した。
40年ぶりくらいに観たら、それほどでもなかった。
この間、舞台、映画、オペラなどで、数えきれない数の『オセロ』を観てきた。
それらのほ
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響け!情熱のムリダンガム(2018年製作の映画)

3.5

#212
たしか、TIFFでは全回満席で入れなかった映画。

前半、インド映画にありがちな、歌と踊りの青春成長物語なので、これで2時間超はきつそうだと思いきや、カースト制度の話になって、ひと味ちがう映
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五人の斥候兵(1938年製作の映画)

3.0

#211 返還映画大会
噂ばかりを聞いて、ついに初めて観た。
なるほど、こういう話だったのか。
(といっても、何を言っているのか、ほとんどわからないのだが)
当時は国威発揚映画だったろうが、いま観ると
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おゆきさん(1966年製作の映画)

3.0

#211 笠智衆大会
これは初めて観た。
倉本聰脚本のせいか、一見、さわやかドラマにみせて、実は、ひねくれた内容。
幼なじみを平気で棄てるといった、とてもイメージの悪い設定が登場する。
よって、おゆき
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警視庁物語 行方不明(1964年製作の映画)

5.0

#210 ニュープリ大会
DVD集も持ってるのに、劇場にかかったら必ず行ってしまうほど、本シリーズのフェチなので、冷静な判断ができないのだが、とにかく素晴らしい。
皮革工場の濃硫酸シーンは、実際の工場
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夏の嵐(1944年製作の映画)

3.5

#209 文学と映画
昨年、復刊されたばかりの、チェーホフ唯一のミステリ『狩場の悲劇』の映画化。
原作ならではのトリックなどは薄まっているが、独特な映画で新鮮だった。
ジョージ・サンダースは、ロシアに
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名人長次彫(1943年製作の映画)

3.5

#208 返還映画コレクション
時期的に国威発揚映画なので仕方ないが(だから接収されたのだろうが)、どうしても、そちらの方向にもっていかざるを得ず、そのために、後半が、かなり無茶というか、強引な展開に
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私は歌う ~アフガン女性たちの闘い~(2022年製作の映画)

4.5

#207 難民映画祭オンライン
これはすごいドキュメントだった。
TVの勝ち抜き歌番組を軸にしながら、アフガンにおけるタリバン後退~米軍撤退~タリバン復権のシーソー恐怖を、見事に描いている。
男しか優
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レベッカ(1940年製作の映画)

4.0

#206 文学と映画
ひさしぶりに再鑑賞。
難破船が発見されてからの畳み込むような展開は、さすがヒッチコックで面白い。
役者がみな達者で、主役2人とダンヴァース夫人はいうまでもないが、最初だけ出てくる
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ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦(2022年製作の映画)

4.5

#205 難民映画祭(オンライン)
近年、上映作品数も減り、劇場上映よりオンラインに傾注しているこの映画祭だが、それでも、こういう作品をちゃんと発掘してくれるのが、ありがたい。
驚くほど長い時間と手間
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

5.0

#204
映画は「脚本」と「キャスティング」がいかに重要かを、あらためて教えてくれる、傑作にして怪作。

FBI側の捜査が主軸の原作を、加害者側に視点を変え、事実上の実行犯(ディカプリオ)の、善と悪の
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リアリティ(2023年製作の映画)

3.0

#203
まったく予備知識なし、予告編もHPも見ずに行ったので、てっきり、無実の女性がFBIの巧妙尋問で犯罪者に仕立てられる映画かと思ったら、まったく逆で、明らかな犯罪者(国家機密漏洩)を、いかにして
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春の画 SHUNGA(2023年製作の映画)

4.0

#202
いままで見たことのない春画が次々と出てくるので、飽きなかった。
ただ、そのたびに、どこかで読んだり聞いたりした解説が続くので、次第にうんざりしてくる。
単なるエロではなく、アートや文化であり
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アメリ(2001年製作の映画)

4.0

#201
デジタルリマスターになったというので、ひさびさに行ってみたら、ユーロは35mmフィルム上映だった。
だが、最近では珍しくフィルムの外国映画を観て、温かい感じが、とてもよかった。
とにかく、後
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⽉への⽚道切符(2013年製作の映画)

3.5

#200 ポーランド映画祭
いわゆる青春成長ロードムービーかと思いきや、ラスト30分で驚天動地の展開となり、まったくちがう映画となって終わる(どうも実話らしい)。
本当に言いたかったことは、これだった
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新・事件記者 殺意の丘(1966年製作の映画)

3.5

#199 ラピュタ25周年ニュープリ大会
本来60分ものを90分に引き伸ばしたため、少々弛緩しているが、二転三転する展開は、さすがにうまくできている。

ただ、せっかく芦田紳助の通信員という魅力的なキ
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ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

4.0

#198
日本で観られる作品はすべて複数回観てきたクストリッツァ・ファンのあたしなので、楽しみにしていた。
後年のような、混沌としたエネルギーはまだ控えめだが、所々に、いかにも彼らしいタッチがあって、
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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2023/24 ロイヤル・オペラ 「ラインの黄金」(2023年製作の映画)

4.0

#197
(完全版レビューは、ブログをご笑覧ください。http://togashitecca.blog.fc2.com/blog-entry-303.html?sp)

最大の特徴は、全4場を通じて、
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.5

#196

http://togashitecca.blog.fc2.com/blog-entry-305.html?sp
(以下は、上記ブログからの抜粋です)

これは面白かった。
近年、歴史人物を
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