Mさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

  • List view
  • Grid view

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

3.8

現実とも幻想の中とも判別のし難い世界で、エルミタージュ美術館の中を彷徨う作品でした。

90分間ワンカット、編集なし、本番一日という条件。
しかも世界遺産であるエルミタージュ美術館の内部で撮影されたと
>>続きを読む

リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.8

新種の植物を開発した植物学者でシングルマザーの女性が、その植物を巡り不可思議な事が起こる様になり……という作品でした。

非常にビジュアル的に美しい作品で、目立った恐怖やサスペンス要素などはありません
>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

4.0

山奥で豚を買いながら隠遁生活をしていた男が、ある夜豚を何者かに奪われたので、取り返すために下山したのだが……という作品でした。

勝手にジョンウィック的なストーリーを予想してみたのですが、ビックリする
>>続きを読む

バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

3.7

売れない俳優が初主演の衣装のまま事故に遭い記憶喪失になってしまって……という作品でした。

全編に織り交ぜられたハリウッドヒーロー映画への揶揄が面白かったです。
元々この監督のギャグがかなり好きで、今
>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.9

他人の意識に侵入して殺しを行う殺し屋だったが、精神に変調をきたす様になり……という作品でした。

父親のデイヴィッドよりも、繊細でスタイリッシュな映像を撮る息子のブランドン・クローネンバーグ監督の2作
>>続きを読む

ブギーマン(2023年製作の映画)

3.4

痛ましい事故から立ち直れぬ家族の住む家に妙な男が訪ねて来てから、家で異変が起こる様になり……という作品でした。

アーニャテイラージョイと顔が結構似ている、主演のソフィー・タッチャーがとにかく魅力的で
>>続きを読む

青春群像(1953年製作の映画)

3.8

小さな港町に暮らすあらゆる面でどーしょもない男アルベルトとその仲間達を描いた群像劇でした。

全方面にどうしょもなさ過ぎて逆に観ていて清々しく思える主人公が、己の欲望のまま生きている様に見えて、実は一
>>続きを読む

さようなら(2015年製作の映画)

3.7

原子力発電所の事故による放射能汚染で海外へ避難しなければならなくなるが、主人公にはその順番を待つ間弱って行き……という作品でした。

SFではありますが完全に今の風刺、今見るべき作品だと思います。
>>続きを読む

地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

3.4

中年夫婦が購入した一軒家には地下室があり、さらにそこには妙なルールがあって……という作品でした。

「笑うセールスマン」的なブラックコメディで、シュールさとナンセンスさを併せ持つ妙なストーリーでした。
>>続きを読む

(1955年製作の映画)

3.8

貧しい人を専門に騙していた詐欺師グループがバレる事なく稼いでいたのだが……という作品でした。

いくらなんでも何故そこから?と言いたくなるくらい、善良で貧しい人達から金を巻き上げているので、主人公達詐
>>続きを読む

スーパー!(2010年製作の映画)

3.6

妻を救う為スーパーヒーローになる事を決意したうだつの上がらぬ夫が、手縫いの衣装で変身するも……という作品でした。

やってる行動がむしろヴィラン的な主人公。そのサイドキックもむっとヴィラン的。
「キッ
>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.0

危険な衝動をもつ少女が、同じ衝動をもつ青年と出会い……という作品でした。

かなりショッキングなカニバリズムという物を題材にしつつ、なんとも繊細な若者達の心の機微を描いていて非現実的なテーマなのに、と
>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.8

就寝中覚えの無いキズや痣が出来た女性がその理由を知り……という作品でした。

昨今もよくニュースになっております性暴力を描いた作品なのですが、今作がメインとしているのは女性同士の論争です。
立場の弱い
>>続きを読む

ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.6

敏腕アサシンがターゲットの幼い少女に肩入れした事で組織に命を狙われる様になってしまい……という作品でした。

主人公を演じていたカレン・ギランってガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの女優さんだったんで
>>続きを読む

355(2022年製作の映画)

3.6

何でもハッキング可能なデバイスを回収しようとした主人公だったが……という作品でした。

5ヶ国の強靭な女性達がチームを組んで困難に立ち向かうという女性版ミッションインポッシブル的な作品なのですが、
>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.7

色々疲れて嫌になってたサンタクロースが立ち寄った豪邸で強盗団に出くわしてしまい……という作品でした。

「ダイハード」の流れのストーリーなのですが、まだこのジャンルに新しい可能性があったのか!と驚かさ
>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.7

叔父に国王の父を殺され王妃の母親も攫われた若き王子が、成長し祖国に舞い戻るのだが……という作品でした。

なんかギリシャ悲劇みたいな話だなと思って調べていたら、ハムレットの元になった作品を下敷きにして
>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.8

転落死事件を追う刑事が、容疑者の女性に惹かれ始め……という作品でした。

現在と過去、そして現実と妄想が途切れなく交差する特殊な作り方の映画で観ている側が「何処まで真実で何処まで虚言なのか」イマイチ判
>>続きを読む

スリザー(2006年製作の映画)

3.6

落ちてきた隕石に未知の生物がくっ付いていて、それが人間を襲い出し……という作品でした。

まさかのジェームズ・ガン監督作品。しかもネイサン・フィリオン、マイケル・ルーカーとその後のジェームズ・ガン作品
>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

ニューヨークタイムズ記者2人が大物プロデューサーの性的暴行事件を取材を進めるが……という作品でした。

何処の国でもこういった事はあるのだなという気持ちと、とは言えアメリカはどんなに大物であっても1度
>>続きを読む

イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

3.8

身寄りのない赤ん坊の父親を探す助産師が、母親の日記を頼りにロシアンレストランへ辿り着くが……という作品でした。

デヴィッド・クローネンバーグのバイオレンス少し抑え目ギャング映画で、人物の心情描写に割
>>続きを読む

クラッシュ(1996年製作の映画)

3.8

自動車事故を起こしてしまった夫婦が、搬送された病院で出会った男に事故現場の写真を見せられ……という作品でした。

車両事故に過度な性的興奮を見出す登場人物達の行きつく先は「そりゃそうなるよね」っていう
>>続きを読む

鏡の中の女(1975年製作の映画)

3.8

精神科医の主人公が、昔自分が使っていた部屋で幻覚を見て……という作品でした。

遅々として進まぬ患者の治療、
祖父母との因果、
夫婦間の溝、
医師としてのプライド。
全てが彼女に負荷をかけ続けやがて臨
>>続きを読む

欲望のあいまいな対象(1977年製作の映画)

3.7

列車に乗り込んできた女性に、初老の紳士が突然水を浴びせかけて……という作品でした。

2人1役という風変わりな作風が面白い、ルイス・ブニュエルの遺作。
メイドの若き女性に翻弄される、金持ちの老人。
>>続きを読む

ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

3.8

金持ち連中が食事をしようとすると、いつも寸での処で何かが起こり……という作品でした。

ルイス・ブニュエル監督の風刺の効いた、特権階級批判作品ですね。
夢オチの続くマトリョーシカみたいな話で、何をやっ
>>続きを読む

小間使の日記(1963年製作の映画)

3.8

田舎の貴族の小間使いとしてやって来た女性が、そこで働きだすのだが……という作品でした。

ちょっと奇妙と言ってもそれほど突飛という訳ではなかったです。「ツインピークス」みたいな事には全然なっておりませ
>>続きを読む

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.7

ホテル内で男2人が外をカメラで撮影しており……という作品でした。

ゴダールのメッセージ性と唐突なシュール性は健在で、そこに今回は群像劇という新たなエッセンスが加わった感じです。
あまりにも唐突に行わ
>>続きを読む

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

3.9

銀行強盗をした主人公が、そこの警備員と銃撃戦を繰り広げ揉み合ったり何だりしている内に恋に落ち……という作品でした。

前衛的なモノも振り切るとシュールと不条理に行きつくのかな?と思えるくらい、唐突な不
>>続きを読む

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)

3.7

ザ・ローリング・ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」がどの様に誕生したのか、その創作過程を捉えたドキュメンタリー映画でした。

普通のドキュメンタリー映画と違い、ゴダールの想いや思想もかなり入り込んでいてゴ
>>続きを読む

メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

3.8

かつての恋人の死を不審に思い真相を調べ出す主人公。そんな彼女に色々な人間が接触を持ち出し……という作品でした。

勝手に「気ぐるいピエロ」が尖った作風のピークかと思いきや全然そんな事はなく、こちらも全
>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

3.8

家庭から逃げ出しかつての愛人と再会した主人公は……という作品でした。

凄かったです。色んな方向に飛び抜けているというか、ジャン=リュック・ゴダールの創造や主義主張が溢れ出しておりました。
詩的という
>>続きを読む

軽蔑(1963年製作の映画)

4.0

プロデューサーの意向で脚本の書き直しを命じられた主人公は、女優でもある妻と共にロケ地を訪れるが……という作品でした。

とても好きな作品です。
主人公とその妻の関係が素晴らしく、特に妻との関係が決定的
>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

3.9

女優になる為夫と別れバイトで働いていた主人公だったが金欠になり……という作品でした。

かつての夫、金欠に喘ぐ主人公に近付き取り込もうとしてくる男や、そんな彼女を買う男、そして最終的に彼女に助言を与え
>>続きを読む

小さな兵隊(1960年製作の映画)

3.7

スイスでスパイ活動をしていた主人公が、デンマーク人の女性と出会い……という作品でした。

主人公の言い分とかも分かるし、カッコイイ映像と会話ですし、音楽も素晴らしいんですけどラストまで観てこの作品を俯
>>続きを読む

ヴォイジャー(2021年製作の映画)

3.1

新たに居住できる星を探す為出航した若者達が、自分達の食べている食料に薬品が混ざっている事を知り……という作品でした。

一言で言うならば「薬が切れてブチ上がってしまった若者達の乱」もしくは「宇宙学級崩
>>続きを読む

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

4.0

自動車泥棒が車を盗んで逃げている最中警察官を殺してしまい……という作品でした。

サスペンスを織り交ぜながらの恋物語で、アメリカ女性にパートが移ってからは正直そこまで盛り上がりに欠けていた様な印象があ
>>続きを読む