実の母だが、子と隔絶されて生きたレイリアと、子との愛を育みながら育ての母として生きたマキア。対比する2人と過去に縋るクリム。
長寿の一族として非業な運命を背負った儚くも美しい、イオルフたちの物語。>>続きを読む
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奇しくも同じ屋根の下に集い、同じ時代を生きた5人の男女が、それぞれが何かを求め、煩悶とした人生を補い支え合ってゆく。
主軸は思春期の息子と本心をひた隠す母の、もどかしくも愛おしいヒューマンストーリ>>続きを読む
いくつかの物語が巧みに絡み合っていくのが特徴的な作品。
パッケージの印象もあって、結局のところは作品の魅力はミアであり殆どを掻っ攫うんだろうと思っていたが、そんな事はない。それぞれの登場人物がそれな>>続きを読む
ジョゼと管理人。それぞれ、海という共通の象徴をもって運命的に出逢い、補い合いながら、しがらみから解き放たれてゆく。
フィクションとリアリティの均整が取れた、それこそ絵本のような理想的な物語であって、>>続きを読む
この作品の全てを語るならば、原作を知り、時代背景を知り、何度か見返す必要があるように思う。そのため、具体的な内容についての批評は上手く書けない。
今回はとにかく割り切って、感覚的な視点から映像の美し>>続きを読む
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自閉症が今ほど周知されていない時代の作品であって、
発達遅滞を抱えている一方、暗算や瞬間記憶などの特殊能力のような、部分的に突出した能力を持っているだとか、私利私欲のために動いていた主人公が少しずつ>>続きを読む
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復讐を果たしてハッピーエンドかと思いきや、自由を求めた音不利は射殺され、砂羽との約束を果たす事なく終わってしまう。
両親を失い、唯一心を通わせた同じ境遇の音不利をも失った砂羽。
彼女の絶望は正に>>続きを読む
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パーフェクトデイズ。完璧な日々ってなんだろう?
普遍的な日々の中に於ける少しの幸せ。
序盤はおじさんの味気ない単調な日常が物静かに繰り返される。しかしこの一見退屈に思える羅列した日常が特に洗練さ>>続きを読む
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ノルウェイの森
原作を読んでから鑑賞。
映画化作品あるあるだけども原作のイメージと大きく乖離している点がどうしても気になってしまい、釈然としないままエンディングを迎えた。
特にヒロインの直子は>>続きを読む
例年は冬眠しているはずのムーミン一家が「クリスマスさん」を歓迎するための準備に奔走する、やや珍しい銀世界の物語。
毛むくじゃらの可愛らしいご先祖様や、温もりが欲しくても自らの冷たさで台無しにしてし>>続きを読む
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ウブでお人好しの誠人と不思議ちゃんの静流の空気感がなんともクセになる、すこし北欧的で柔らかい2人の恋の物語。
世界観は素敵だけれど、気になる点はある。
誠人の学生仲間たちとの件が、本当に友達かよ>>続きを読む
名声、人種差別、ヘロイン、母親にまつわる脅迫的なコンプレックスを抱え27歳で夭逝したバスキアの輝きの裏側を紐解いた作品だが、紐解き切れないほつれた不完全燃焼さを感じてしまった。
映画作品色が強いと言う>>続きを読む
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生きる手榴弾。
ラストシーン、製造士のキツネ?が凍えないように鳥を連れて帰るのは分かるけども、命を懸けた手榴弾くんの最後の灯火が消えるまで、せめてもう少し側に居てあげても良かったのでは?と思ってし>>続きを読む
ホラーチックで、正に奇妙な世界観を、実写に於いても損なう事なく表現された実写ルーヴルへ行く。
思わず見入ってしまう。あり得ないけれど、なんかあり得そう。
スタンド含め、下手なCGで仰々しく飾る事な>>続きを読む
不遇な人生で見出される、ふれあうという優しさの温もり。
そんなマロナを描く物語自体も好きだが、個人的には今作の魅力といえる、芸術的な映像美がとても好みだった。
よくある綺麗な絵だけでは無い、幼稚>>続きを読む
ムーミンパパが仲間たちと旅をして、ママと出会うまでの物語。
物語が単調に進んでいくため、熱狂的なムーミンファンでなければ、鑑賞にはある程度の忍耐力が必要になる。
物語の内容、構成にも原因はあるだろ>>続きを読む
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『西の魔女が死んだ』
一度見たら忘れない、ギョッとするパンチの効いた題名。
なんだろうなぁ、良いこと言っているんだけど、おばあちゃんのカタコト日本語というより演技の感じなのか、個人的にはちょっと物語>>続きを読む
よくある恋愛映画とはまた少し異なる、やや現実味を帯びた、優しくて悲しい作品。
サマーという運命の相手。
そりゃ好きになるでしょ。男ならば漏れ無くサムの肩を持ってしまうような、そんな女性。
終盤の>>続きを読む
岡本太郎のパイラ人目当てで鑑賞。
地球消滅の危機に人類は慄き嘆きながらも、パイラ人の協力の下、何とか消滅の危機から脱し、ハッピーエンドといったような物語。
当時の革新的な発想を持ってして創り出さ>>続きを読む
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言わずと知れたシザーハンズ。
唯一無二の発想と、奇妙な世界観。
総じて面白い作品なのだが、終始、引っ掛かる点はある。
シザーハンズという、不気味な存在を忌み嫌うどころか、寧ろ歓迎する住民たち(流>>続きを読む
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ただ漠然と、『スタンドバイミー』的な友情系の作品なんだろうなぁと思いつつ鑑賞を始めたらビックリ、友情系なのは間違いないけれど、裏切られた。かなりの良作。ここ最近観たピクサー作品で一番好きな世界観だった>>続きを読む
《両極端な存在が混ざり合う》という設定は意外性があって、やっぱり文句無しに面白い。テンポが速く、観ていて飽きない物語展開がまた良い。
彼女たちの笑顔を観ていると、自然と笑顔になれる、そんな元気とエ>>続きを読む
愛する妻との約束を果たす為、一念発起冒険へと出掛けるカールじいさん。
物語としては非常にシンプルで心温まるものだが、設定がやはり突飛で面白い。
風船で家ごと飛ばして旅に出る時点でも面白いが、愛す>>続きを読む
こういう時、人間の頭の中はこんな感じだろうなぁが見事に具現化されていて、
イマジナリティとリアリティという、対極的な人の在り方が忠実に表現されていた。
喜怒哀楽を尊重してこその人間だなと再認識させ>>続きを読む
一般論として心温まる愛の物語、拍手👏って感じなのだろう、子供に観せるにはもってこいの教材的作品だが、
よくある異種との共存という設定がエレメントというだけであって、
愛が素敵だからと言って物語が面白>>続きを読む
見返りと不釣合いな、野武士討伐という百姓の依頼に、義を持って志を一つにした七人の侍たちが奮闘する。言わずと知れた黒澤明監督の名作。
今作は上映時間が兎に角長い(206分)。しかし不思議なもので、戦>>続きを読む
原作は詳しく知らないが、
退屈なシリアスと、内容に見合わない大袈裟な演出が長々と続き、MWの真相に到達しても尚、感情が揺さぶられる事なく終わった印象だった。
他の方のレビューを見る限り、原作では同>>続きを読む
芸術家としての理想像と、父へのコンプレックスを抱きつつ、絵本作家として生活する現実に矛盾を感じるトーベは、ヴィヴィカやヴィルタネンとの"愛"に於いても、同様にどかしさを膨らませ、葛藤している。
ム>>続きを読む
前作『シャイニング』の奇妙かつスリリングな唯一無二の世界観を踏襲しつつも、原作に軌道を修正し、絶妙な配合でキューブリックとキングが混ざり合っており、
これ以上、巧く表現はできないなと思える、納得のい>>続きを読む
知的障害の弟の面倒や、父親の自殺、それをきっかけに引き篭もる、コンプレックスを抱えた母親など、家族という枷に青春の日々が繋がれ、必然的に町にも縛られるギルバート・グレイプ。
トレーラーハウスで旅をす>>続きを読む
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エリックとデクスター、2人の少年の強く結ばれた、絆と友情の物語。
親友のために心血を注ぐ、そんな少年らしい力強く、不器用で純粋な生き方を、鮮やかで柔らかい雰囲気で包み込んだ世界観であり、友情や愛に>>続きを読む
淡々としつつも、急展開なのは昔の作品らしい。それはそれで何だか良かったりする。
暴力的で悲愴感漂う内容であるのに、不思議と静かで優しい温もりを感じさせる。
比較的序盤の、カスリネンら、のちの家族>>続きを読む
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⬛︎『君たちはどう生きるか』という映画
テーマがテーマだけに難解だとか、面白くなかった、駄作などという意見も散見されるが、
ジブリに対する固定観念から、娯楽やエンタメとして鑑賞した方の大半は釈>>続きを読む
とにかく、ピッコロさんが重労働。
インフレの帳尻合わせ的作品であり、オレンジピッコロと悟飯ビースト、セルマックスのビジュアルとネーミングにはもう慣れたが、なかなかの違和感は残る。
などと言いつつも>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
事前情報を入れずに鑑賞し始めると、あの後の物語だろうと盲信し切っていた僕はなんだか違和感を感じ、一旦ネットで調べてみる。
てっきり、前作でエスターが実は生きてました!みたいな復活のリベンジエピソー>>続きを読む