あ

バスキアのあのレビュー・感想・評価

バスキア(1996年製作の映画)
3.4
名声、人種差別、ヘロイン、母親にまつわる脅迫的なコンプレックスを抱え27歳で夭逝したバスキアの輝きの裏側を紐解いた作品だが、紐解き切れないほつれた不完全燃焼さを感じてしまった。
映画作品色が強いと言うか、華麗な悲嘆として纏っている具合がどこか物語的(映画だからしょうがない部分はあるが)でバスキアの別作
「downtown81」に於ける鬱屈した渇望的な生々しさが欠けているようで(こちらはバスキア自身が本人役なのも勿論あるが)物足りない印象を受けた。

ジェフリー・ライトのバスキアが個人的にはなかなか違和感があって、それが抜け切らなかったのも作品に移入し難い一因だったのかもしれない。
ただ、デヴィッド・ボウイのアンディ・ウォーホルは不思議としっくりときた。
あ