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パルプ・フィクションのあのレビュー・感想・評価

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)
3.9

いくつかの物語が巧みに絡み合っていくのが特徴的な作品。
パッケージの印象もあって、結局のところは作品の魅力はミアであり殆どを掻っ攫うんだろうと思っていたが、そんな事はない。それぞれの登場人物がそれなりに変人で作品の色は妙に鮮やかだった。

物語毎に決まって事が面倒な方向に転がっていくが、その都度繰り広げられる癖のある会話のラリーが独特で面白い。
一般的な会話なら、どちらか片方が深掘りする事なく、「もういいわ」といった具合に切り上げる所を、両者ともが変人ゆえに独特な会話が完成されてしまう。

・ビンセントとジュールスの会話
足を揉むのと、アソコを舐めまくることの違い。当たらない銃弾の奇跡。など。

・ミアとビンセントの会話
ストロー口付けるつけない。気まずい沈黙。怒らないと約束できない。

説明的な台詞では無く、正直どうでもいいような内容に拘りを持ってやりとりする、
一般的とされる一線を軽々と越えていく、常軌を逸した登場人物たち。
正に緊張と緩和のバランスが絶妙だった。
個人的にには、どうでもよい事に拘るやり取りは、何となくジョジョを彷彿とさせた。

全体的に起死回生のハッピーエンドではあるけれど、ストロー間接キスに加え、ツイストまで決めてしまったビンセントはマーセラスに殺されること間違いなし、と思っていたところ、呆気なく唐突にブッチに殺され、何とも不憫で居た堪れない。。
あ