にくさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間(2023年製作の映画)

2.8

藤井道人『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』(23)。Netflixの総集編後半。神山健治による押井守もどきの観念の入れ子構造(今だ必殺ミザナビーム!)はもうどうでもいいのだが、主人公らがアフ>>続きを読む

トンソン荘事件の記録(2020年製作の映画)

3.8

ユン・ジュンヒョン『トンソン荘事件の記録』(20)。韓国製ファウンド・フッテージ・ホラー。人物関係(憑依される者も含めて)が複雑で、夜の場面も多いので最後まで何が起っているかよく分からない。まあ、だか>>続きを読む

Gメン(2023年製作の映画)

1.0

瑠東東一郎『Gメン』(23)。俳優達がお互いのアドリブ演技に、素でついつい笑ってしまう、みたいな場面の集積で下らないNG集映画を作るのは福田雄一監督だけにして下さい。出演者の皆さん、監督は選んだ方がい>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.8

D・クローネンバーグ『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』(22)。話の筋は全く覚えていない。あの骸骨椅子、あれは、『モダン・タイムス』でチャップリンが座らされていた全自動マシーンの発展形なのか?いや>>続きを読む

白石晃士の決して送ってこないで下さい(2023年製作の映画)

3.3

『白石晃士の決して送ってこないで下さい』(23)。送られてきた映像に出てるのがウザいYouTuberの典型みたいな奴だなぁと見てたら本物の「貝柱」で爆笑。彼の映画紹介YouTubeはノイズが多くて見て>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

1.0

山崎貴『ゴジラ- 1.0』(23)。アメリカ様には負けましたが、このゴジラ君なら何とか勝てそうだ。おめおめと戦争から生還しちゃったけど「役に立つ」ぞ!今度こそ、お国の「未来のため」に。これが僕ちゃんた>>続きを読む

リゾートバイト(2023年製作の映画)

4.8

永江二朗『リゾートバイト』(23)。かつてのホラー・クイーン(佐伯日菜子)の安易な出し方、主人公たちの素人同様の演技、突込み所満載の設定(十代のガキばかりが殺されてる島に3人の十代のガキがわざわざアル>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.3

G・リッチー『オペレーション・フォーチュン』(23)。ハリウッド馬鹿俳優を演じているのがJ・ハートネットだと最後まで気付かなかった。いや、彼とH・グラントの演技合戦は素晴らしいんだが、リッチーはいつも>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

2.3

石井裕也『愛にイナズマ』(23)。一見、松岡茉優演じるヒロインが目立っているようだが、その実、彼女は「ダメ男」(碌でもない父とか長男とか夫とか兄弟とか)を肯定するために存在しているに過ぎない。その陰で>>続きを読む

愛しのクノール(2022年製作の映画)

1.0

M・ハルバースタッド『愛しのクノール』(22)。子豚を飼う少女と肉屋の祖父の交流のち対決を描く人形劇。原作(和蘭語)も本当にこんななのか? ストップモーション技術は高い様だが、豚をいきなりミキサーにか>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.9

M・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(23)。ポスト蓮實世代がいかにスコセッシを擁護しようとも、本作がメタレベルでも「非白人」を搾取しているという構図を完全に否定することはできないだろ>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

1.0

R・ロドリゲス『ドミノ』(23)。「スパイキッズ」シリーズの様な子供向け映画を作っている分には目立たなかったが、ロドリゲスの本質はやはり「幼稚さ」にあるのだろう。本作の参照先も自分と同じ90年代以降の>>続きを読む

おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)

1.0

水田伸生『お前の罪を自白しろ』(23)。最終回とはいえ公開一週間で劇場がすかすか。自民党の議員の中にも心根のいい人はいるし、その息子もぜひ二世議員になってもらいたいよね、一家の罪を自白してくれてありが>>続きを読む

HOSHI 35 ホシクズ(2023年製作の映画)

1.0

横川寛人『HOSHI 35 ホシクズ』(23)。平成ゴジラのヒロイン(巫女)たる小高恵美に怪獣映画からの解放を促した良作の様にも見えなくもないのだが、実の所、横川の脚本が巷に溢れるエロ村漫画に劣るほど>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.3

原田眞人『BAD LANDS バッド・ランズ』(23)。己を捕えようとするカメラからいかに逃げ切るか。画面の、いや「物語」の中心に留まっては、悲劇のヒロインとなってはならぬ。「階段」という上/下、内/>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.7

A・フークア『イコライザー THE FINAL』(23)。元来イーストウッドが得意とする様な自警主義をイタリアを舞台に展開するのだから、本作はホラーというよりマカロニ・ウェスタンのネガとしての様相を帯>>続きを読む

PIGGY ピギー(2022年製作の映画)

4.3

カルロタ・ペレダ『PIGGY』(22)。丸々と太った肉屋の娘サラを「豚」と蔑みいじめる同級の女子たち。とそこへたまたま自分だけをお姫様の様に扱ってくれて(お菓子くれるし)いじめっ子をさらってくれる連続>>続きを読む

死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

4.3

M・チャベス『死霊館のシスター 呪いの秘密』(23)。何かもうタイトルがずっと意味不明なのだが面白いからまあいいか(よくないけど)。なるほどヴァチカンが悪魔事件記録のアーカイヴズ(史料館)なのだとすれ>>続きを読む

紫の家の物語(2022年製作の映画)

4.5

A・ファーディル『紫の家の物語』(22)YIDFFコンペ。戦禍を逃れた、だがコロナ禍に見舞われているレバノン南部の「紫の家」。当作は家主たる女画家と隣家の少年の関係を起点に、当地周辺の過去と現在、現実>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.7

R・リンクレイター『バーナデット ママは行方不明』(19)。映画の中の男建築家は露骨に創造主になりたがる。本作の女建築家はどうか。彼女は父権的なヒエラルキーから一度排除されたにも拘らず、結局「聖女」の>>続きを読む

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

3.2

吉野耕平『沈黙の艦隊』(23)。「沈黙」シリーズ最新作。セガールがいないせいか、登場人物たちがよく喋るどころか、クラシックまで大音量でかけはじめて(一度ばかりか二度までも)少し緊張感が足りないと思うん>>続きを読む

オクス駅お化け(2022年製作の映画)

3.7

チョン・ヨンギ『オクス駅お化け』(23)。高橋洋脚本で韓国を舞台に代えて『リング』の恐怖をもう一度!という心意気や良し。呪いの契機として日本の関与が仄めかされた辺りも楽しめた。ただ『リング』にはなかっ>>続きを読む

ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

2.9

ジェフ・ロウ『ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!』(23)。あまり住みたくないなぁ衛生的とはいえないなぁという地下を拠点として日々悪を挫く四亀ミュータント兄弟。君達は他のミュータントに>>続きを読む

大雪海のカイナ ほしのけんじゃ(2023年製作の映画)

2.3

安藤裕章『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』(23)。「街路樹を切りま〜す」とどこぞの都知事の様なこの世界の代表が言い出して、抵抗運動も虚しく切り倒されそうになる(実は世界を支えていた)木々。と思ったら>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

2.7

N・ブロンカンプ『グランツーリスモ』(23)。監督がブロンカンプであることを知らずに見た。成程あの(ガシャコン)描写はテクノロジーと(身体そのものというよりそれを介した)人間理性の相克を扱ってきたこの>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.6

C・スタエルスキ『ジョン・ウィック コンセクエンス』(23)。ゲーム的に無敵かつ不死の人物を生身のキアヌ・リーヴスが演じているのだが、「マトリックス」シリーズのこれが一挿話であるという解釈に一票を投じ>>続きを読む

ルー、パリで生まれた猫(2023年製作の映画)

1.9

G・マイダチェフスキー『ルー、パリで生まれた猫』(23)。人と猫の間の共同幻想(擬似切返し)を徹底するでもなく、両者の相互不理解を前面化するでもなく、原作ありきとはいえ、アンバランスな人-猫どっちつか>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.3

E・バンクス『コカイン・ベア』(23)。本来は大人しい黒熊が偶然に麻薬を口にして凶暴化。それに対処できずに右往左往する人間たち。善人も悪人もハイになった母熊の前に等しく無力化/相対化される。非対称な人>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

2.3

松山博昭『ミステリと言う勿れ』(23)。弱者に理解のある金田一風の学生が、温泉に入りつつ、地縁血縁で雁字搦めになったある一族を巡って生じた殺人事件の謎を解く。但しその犯人が、戦国時代?に「日本」に来て>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.8

D・ロウリー『グリーン・ナイト』(22)。「円卓」の円環性をカメラワークにぐるんぐるんと反映させ、歴史劇の中で無時間性をまたもや前傾化したこの監督のインテリ・シネフィルぶりには辟易しつつも、ちょっとそ>>続きを読む

禁じられた遊び(2023年製作の映画)

2.1

中田秀夫『禁じられた遊び』(23)。ボディ・ペインティングを施したファーストサマーウイカの滑稽なまでの無表情パントマイムと、橋本環奈の不自然なまでの顔面演技の照応。そんなもん誰が楽しめるのか?かつての>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

1.3

岡田麿里『アリスとテレスのまぼろし工場』(23)。アリスもテレスも出てこないという、もはや間抜けな指摘をしつつ、平行宇宙で、性については日々勉強してるけど、本当の勉強は少しもしていないよ、という14歳>>続きを読む

劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(2023年製作の映画)

2.3

竹内一義『劇場版シティハンター天使の涙』(23)。神谷明は一語一語丁寧に発音しようと頑張っていた。ただ、その頑張りが痛い。香を初めとして、キャッツアイの泪と愛に至っては聞くに耐えなかった。オールド・フ>>続きを読む

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

2.6

斎藤工『スイート・マイホーム』(23)。この「作家」は女性が怖いことを隠そうともしない。「女は怖い。なぜならそれが女だからだ」。今後、「男は常に(女の)被害者である」という身も蓋もない主張を画面上でや>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

5.0

C・カイコー『さらば、わが愛 覇王別姫』(93)。子供、娼婦、剣、山査子の砂糖漬、首括り、あるいは為政者、権力者、金魚鉢、鳥籠といった各種イメージの連鎖・循環があり、それが「覇王別姫」的最期を迎える(>>続きを読む

キングダム II 第3章/第4章(1997年製作の映画)

4.0

感想はIに譲る。ってか、終わらせるつもりないよね、トリアー。