水蛇さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

水蛇

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ドアをノックするのは誰?(1968年製作の映画)

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※フラッシュバック注意
カトリックのホモソワールドに生きるオタクが恋人の性被害をネタにかわいそうな俺ごっこするお話。解散!

山の焚火(1985年製作の映画)

4.0

絶妙に嫌悪感を催すギルティプレジャーとしてのファミリーロマンス。いい。いいっていったら語弊があるレベルの居心地の悪さがいい。まるできもちよくない。それがいい。こんなものできもちよくなれてたまるかって異>>続きを読む

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.8

救いようのない方向音痴だからしょっちゅうがんばった末にぽつんと立ち尽くす。口頭で懇切丁寧に説明されてもわからない(わかったと思って向かうけどたどりつけない)し、google mapで歩ける人には一生理>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

5.0

家族やパートナーや友人やそういう愛する人達のまえに もしなんの名まえもないわたしとして現れたら、彼らはわたしをなんて呼ぶのかなってよく考える。そして彼らでしかない彼らをわたしはなんて名づけよう。ある友>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

5.0

テクノロジーや特殊メイク、豪華な音楽もりもりの現代映画ももちろん好きだけど、やっぱりこれはぶっ飛ばされる。ほぼオルガンだけで何世紀もの隔たりをなかったことにされちゃう。毛穴まで騒ぎだす。これを観ると毎>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

2.4

母親も息子も検察も精神科医も弁護士も、状況次第で急に悪そうな顔に見えてきたり真摯に見えてきたりする自分が一番信用できない。唯一いえるのはワンオペ育児を見てて何とも思わないパートナーは男女問わず最低とい>>続きを読む

真夜中のゆりかご(2014年製作の映画)

3.5

ネグレクトのシーンがかなり辛いので要注意。

人生で一度も子どもをもちたいと思ったことがない女性として生きてると、パートナーいるのに?健康なのに?子ども好きなのに?トラウマもないのに?余裕もあるのにな
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ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

4.5

エンディングのパトリック・ウルフで涙腺爆発した。元気だったのか〜

優しくなれば優しさがかえってくること、弱さをさらけだしても大丈夫と安心できること、損なわれた自分が満たされると同時に愛する人を満たす
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明るい瞳(2005年製作の映画)

4.0

映画史上ベストキスシーントップ5に入る。

配信がないのおかしいって20年近く待ったけど、もう1回観たすぎてDVDを買った。 悔いはない、というかもっとはやく買えばよかった。ただでさえマキシマリストだ
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作家、本当のJ.T.リロイ(2016年製作の映画)

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コートニーとボノは本当にブレないな、ボノ語り(名訳)が目に浮かぶもん。そして虐待経験によってローラと結びついたビリー・コーガン。

90年代末〜00年代始めはトリイ・ヘイデンとか「it」シリーズとか虐
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太陽と月に背いて(1995年製作の映画)

3.6

「この時代のレオにランボーを演じさせたい」はもはや人類の夢。ランボーはよくも悪くも神話だから相性がよすぎる。

ヴェルレーヌにすべてを捨てさせた「いますぐ一緒に行こう。さもないと二度と僕に会えなくなる
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レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.5

ライオンの捉えかたがまるで違う文化の相手とどう共生すべきか、公開からずっと考えてるけど答えはない。法治国家だから窃盗とかで罰することは可能だろうけどもちろんそんなの本質的な答えになってない。罰したとこ>>続きを読む

シンデレラ(2021年製作の映画)

1.1

男性は女性に、白人は非白人に裏返せばいいんでしょっていう何の意志も感じられないインスタントな迎合作品。記号をなぞるだけのこの種の無関心が一般的に差別との闘いの現在地なんだろうな…これに限らないけど、性>>続きを読む

あこがれ(1958年製作の映画)

3.3

こういう子どもいるよね。「マレーナ」もそう。される方は話の通じないわりに体力がありあまってる相手に怒る気力がないだけでうんざりしてるよ。

けど「アントワーヌとコレット」とおなじ、鬱陶しくてさみしい一
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ものすごく期待してたしエンタメの文法はしっかりしてるんだけど、そもそもその盲目の扱いどうなの?調べた限りではそういう視覚障害は見当たらなかったし、そんな特殊な能力を盲目って呼ぶの?

ミスリードであり
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エコール(2004年製作の映画)

5.0

子どもであるということのさみしさ。すごく幸せで恵まれた幼少期だったけど、そんなことには関係なくいつも肌にしみこむようなさみしさがあった。それは自分で責任がとれないということだったと思う。ここでも容赦な>>続きを読む

ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.3

ブラックベリーなっつかしい。当時は年上はみんなこぞって持ってたな。名前がかわいくて印象的だった。そしてわたしが携帯を持つ頃には消え去ってた。どうなるか知ってて観てるのになお何かがこみ上げてしまうラスト>>続きを読む

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)

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日本で普通に存在するジュニアアイドルと何が違うのかわからないし、あの子達の存在をとっくに知りながらイリナ・イオネスコの所業にいまさらショックを受けられるのかどうかさえわからない。こんな世界に生きてると>>続きを読む

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.3

2回目。究極のワンシチュエーションであり、そんなこと忘れさせる熱量とおもしろさ。

これを観るとつい最初からじぶんをデイヴィスの立場に置きがちだと思うけど、たぶん往々にして11人の側なんだよね。あらゆ
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.1

たぶん思いだせば思いだすほど形がかわっていってしまう家族の記憶。子どもの知識と人づての話とポストカードの絵だけで思い描くエル・スールくらい曖昧かもしれない。確かめられるものと確かめられないものが日に日>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

4.0

共感できないラブストーリーとして大好き。

共感ははちゃめちゃに強い武器だからこそふりかざされると萎える時がある。不毛なモノマネを見てる気分になるのかも。その点この2人の言動の75%くらいは共感できな
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ソウルに帰る(2022年製作の映画)

4.1

フレディはどこにも帰属意識が持てないのに周囲は何気ない行動や選択をちゃっかり「養子」という事実に収斂させてしまうから、だんだんそれがアイデンティティじみてくる。マキシムのあのとってつけた勝手な発言も、>>続きを読む

情事の終わり(2012年製作の映画)

3.3

エロ誤認詐欺発掘シリーズ。

意識の流れ的にランダム(風)かつシュールな構成とスピード感が、かつてこの2人にも共鳴とケアと喜びに満ちた時期があったのかな(なかったかもしれないけど)ってぐわんぐわん現在
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ファイブ・イージー・ピーセス(1970年製作の映画)

4.4

銀世界のアラスカの写真を見て「真っ白だから清潔っぽい」と出発するの短絡的にはちがいないけど、そのくらいのエンジン搭載してた方がずっといい。逃げ回るためじゃなくて能動的に行きたい・住みたいと思える場所が>>続きを読む

Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

3.8

迷いを感じない、禁欲的なほど抑えたトーン。あの「火の鳥」を敢えて香らせる程度に留めるのが強さの表れ。

エストニアや周辺にはしばらくいて今もちょくちょく行くけど、フェリーですぐの距離の北欧と見事に文化
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ライク・サムワン・イン・ラブ(2012年製作の映画)

3.4

告発以来キアロスタミ観る気になれないけどこれはたまに思い出す。

ぐずぐず身勝手な理屈をこねて自分の宇宙だけを回ってた人間同士がついに正面からぶつかってしまったような、もう逃げ回れない決定的な遭遇を果
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

5.0

ヴァルダのドキュメンタリーは演出もりもりだけどそれがいい。隣人の白昼夢を覗いてるみたいな心地よさ。

夕暮れにはお外に出たくなる妻と、馴れ初めを語るみんなのほほえみ。あのほほえみ。それと1975年でし
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

5.0

ワイズマンはすべての人の物語を心から信頼してる人なんだろうな。誰もが語るべき物語を持ってるということから目をそらさない、でもつついたりしない。だからいつも体感時間は1時間半。

あれだけの数の路上駐車
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END OF THE CENTURY エンド・オブ・ザ・センチュリー(2004年製作の映画)

3.9

実家からDVD出てきてしんみり。

ジョーイのママが嬉しそうに息子の思い出を語るシーン、毎回飛ばしちゃう。わたしの親が親バカ発動する時とそっくりで、いやじゃないし愛情が嬉しいんだけどとにかく気恥ずかし
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ビキニ大作戦 〜全米ビキニ女王決定戦〜(1997年製作の映画)

2.1

10代半ばの長い入院期間、気になる映画も観尽くしてレンタルするものに困った末に手を出した1本。

人工でも不自然でも胸は大きい方がいいという美醜感に当時は顎がはずれるくらいびっくりした。隠すものだと思
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.6

ドラッグが田舎者だけの娯楽になり、男性が髪を伸ばしたくらいじゃ社会のレールからはみ出ることさえできない現代でこれがアメリカの恐れた自由だ!その代償だ!っていわれるといたたまれないほどせつない。ほんとに>>続きを読む

COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック(2015年製作の映画)

4.4

すごく繊細というよりいい意味で普通の人。あの環境でトラウマを抱えずにいる方が無理だし、その発露を繊細だからっていうのはむしろ残酷な気がする。
コートニーが罵倒と名誉毀損をくり返してきたせいでデイヴだけ
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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた(2018年製作の映画)

3.8

カーシー・クレアモンズのどこまでも眩しい歌声に寄り添われてここだけ初夏みたい。ミツキにジェフにアニコレの時点で噛みしめちゃうのに"my girls"は大サビすぎる…誰かと分かちがたく結びついてしまった>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

1.3

ヴェンダース好きだけど山本耀司からオリエンタリズム悪化してて見てられない。2023年にもなって精神が「お菊さん」のまま。聖化も立派な差別だよ…普通に生きてるだけなのに白人目線でwabisabiとかze>>続きを読む

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

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この作品に限らないけど、侮蔑語をニュートラルに訳すのはどうしても不誠実な気がしてしまう。同性愛者やエイズ患者は確かに差別されてた(されてる)のに、蔑称のfaggotでも何でも「ゲイ」にしちゃったらごま>>続きを読む