絶妙に嫌悪感を催すギルティプレジャーとしてのファミリーロマンス。いい。いいっていったら語弊があるレベルの居心地の悪さがいい。まるできもちよくない。それがいい。こんなものできもちよくなれてたまるかって異性のきょうだいがいると特に思う。ちゃんときもち悪く描いてる。
もうこれからは誰憚ることなく気ままに暮らせるという開放感と、こんな運命を呪いたくなる取り返しのつかなさが山の澄んだ空気に混じるのさえ感じられそう。あした目を覚ましたら自分の人生ごと、悪人ではないけど親としてできることをしてるともいえないあの両親ごと夢でありますようにと願うであろう底のぬけた喜び。