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コットンテールのmarimoのレビュー・感想・評価

コットンテール(2022年製作の映画)
3.4
旅先で映画館
長野県 塩尻駅にある「東座」を訪れました
現在の建物になってからは59年
「東座」の歴史としては大正11年から100年以上の歴史があります
HPの情報では分からなかったのですが1号館と2号館に分かれていました
現地に行くと大々的な成人映画のポスターが…2号館は成人映画専門とのこと
昭和があふれています笑

外観からの印象以上に広い場内
趣のある座席シート
前方の方の座席のシートの方が比較的新しめでしたがあえての趣シートに座ります
ドリンクホルダーが薄い金属仕様でタイムスリップ感
シートを下ろす際にマグネットによる固定感
全てが初めてのはずなのになぜか感じる懐かしさ
…不思議と落ち着くこの感覚に何か言葉が欲しい

鑑賞したのは”コットンテール”
このタイトル
ピーターラビットの妹の名前です
劇中にもピーターラビットの話が出てきますが
監督としてはこのタイトルには広義な意味でのウサギを意味しているとのこと

日本人キャストで監督はイギリス人のパトリック・ディキンソン

息子との縮まらない距離
亡き妻への想い
リリー・フランキーの演じる大島

美しい映像とイギリスの景色の雄大さで劇場でこそ観たい映画ではあるのですが
序盤で大島がある盗みをするシーンがある
とにかく気分が悪い
その後もその件については何のお咎めもなく進んでいく
その後もイギリスで自転車を盗むシーンがある
それについても何のお咎めもない

大島という男が盗みをするという描写に何かメッセージがあるのかもしれないが
私にはただ不快な印象以上のものは感じれず

どれだけ綺麗な映像で綺麗な結末でも
このシーンが最後の最後まで嫌な後味として残ってしまった

短いながら認知症介護の過酷さの描写は目を覆いたくなるほどで
この作品の示す家族が壊れていく過程は他人事に思えないリアルさがあった

それ故に冒頭と中盤の窃盗への報いは一切なく何なら良い話のような形でまとめてしまっている違和感
監督の描く倫理観が自分の感覚が合わないんだろうなと作品自体の印象も総じて低くなってしまった
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劇場名 :東座
上映日 :2024/04/30(火)
上映時間:14:50 ~ 16:29
上映作品:コットンテール
座席  :自由席
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