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いつかの君にもわかることのdarumaのレビュー・感想・評価

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)
4.8
大号泣!!久々に鼻水が出まくった…めちゃくちゃいいです!!
冷静に引いて観るとまあ王道っちゃ王道なんですが、もう完全に泣かせに来てる…
お子さんが居る方におすすめ、って言っちゃうとそれはそれであれなんですが、でもやはり、お子さんが居る方だと余計感情を揺さぶられると思います。

余命わずかな主人公である父親が自分の死後、息子を引き取ってくれる養子家庭を探す話です。

ただでさえ余命モノで泣かせに来る上に、父親と幼い息子とか、もう泣く要素しかない…
って言っても私は普段、余命モノだからと言って簡単に泣くタイプではないんですが(引き合いに出すのは良くないかもですが余命10年はあまりピンと来なかったクチです)、自分が女性で、対象が父親×息子だから涙を誘うのかも。(性差別とか言われると何も言えない。。)

息子ちゃんがまた可愛いの!
何で外国の小さな子ってあんなに可愛いんだろう…

しかも、多分父親の異変に気付いてる。
お父さんがソファで寝ている所に毛布を掛けてあげるとか、超優しい…

養子縁組モノなので、ちょっと「朝が来る」も思い出しました。

色んな里親(候補)が居ます。

わかりやすく「この親はいい親だな!」と思うようにはできているんですが、何だろう、そのポイントが、子どもの事を見ているかどうか。
里親は勿論、主人公であるお父さんと話をする訳ですが、唯一、いい親と思った人は、子どもに重点的に話しかけていたような気がします。
でも、お父さんにとっては、そこが一番大事ですよね。
大切な大切な息子を託す訳ですから。

このお父さんがまたホントいい人で…
ちゃんと読み聞かせをしてあげたり(えらい!)、買い物中に子どもと楽しんだり、子どものいたずらに一緒に乗ってあげるシーン(本に落書きしてた!多分図書館で借りた本!笑)はもう大号泣です…子どもの気持ちになりたかったんだと思う。(その直前に、息子の真似をしてセンターラインを歩いてみるシーンがあった。これがまた病気でふらついて真っすぐ歩けないので、涙が。。)

でもお父さんも出自がいろいろと複雑で。
腕に入れ墨をしているようなキャラクター(って書くと怖そうじゃないですか?)なんですが、これも弱みを見せないようにしてきた人生を表していて。
わりと冒頭、息子がその入れ墨を真似して自分の腕に落書きするシーンがあり、それもまた泣けた。お父さんの事、大好きなんだと思う。

お父さんも良い人一本槍ではなくて。
お仕事が窓の清掃員なんですが、これまたいろんな客が居て、ちょっと嫌な客に当たった時のこと。(ずっと掃除内容を監視してた…そしてクレームをつけて値切った。。)
で!掃除が終わった後、一度帰ってからまたそのお客さんの家にこっそり行き、窓に生卵を投げつけてた(笑)
車にもぶち当ててた(笑笑)
ほんとはいけないんだけど、観ててスカッとしました!

こんなに愛情たっぷり注いで育てている人が、何故子どもと離れ離れにならなければならないのだろう…めちゃくちゃ切なかった。

でも、ラストはいいラストです。
大号泣ですけど、いいラスト。

外国の映画なので役者さんは全く存じ上げなかったのですが、主人公が「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」と同じ方だったんですか…!(驚)全然見えませんでした。終盤の頬のこけ方とか凄かったです。ジェームズ・ノートンさん、「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」も観ていますし、私の数少ない洋画体験で3作も観ているのは凄いかも…

実話から着想を得た作品。監督・脚本は後で知りましたが「フル・モンティ」のプロデューサーの方です。これ以前から観たかったんですよね…!(確か観れてないと思う。同じ場所が舞台の「マイ・スウィート・シェフィールド」は観たんだけど。めっちゃよかった記憶が)
エンドロールに日本人のお名前がいくつか入っていたと思うんですが(凄いなと思った)、この監督さん「アイ・アム まきもと」の原作者なんですか…!知りませんでした。あれが海外のリメイク版ってことも知らなかった!何となく後回しにしていたので、また観てみようと思います。

配給がキノフィルムズ、わかりみが深すぎる。

ヒューマンを堪能したい方におすすめです!!
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