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市子のdarumaのレビュー・感想・評価

市子(2023年製作の映画)
4.0
ようやく観ました!こういう感じか…
何だろう、「万引き家族」を観た時の感覚に近い。
こういうことがある事を世の中の多くの人に知って欲しい、的な?

ネタバレを凄く避けてはいなかったので、ある程度予想がつく状態で観ました。結果、予想通りの展開ではあった。
でも、これはそういう事じゃないんだよな…最初に書いたように、どうなるかという展開が見所じゃなくて、その事実を受け止める事が重要なんだと思う。

とは言っても、冒頭から前半3分の1くらいまではかなり引き込まれて一気に観ました。こういった、周辺人物一人一人にターゲットを当てて主人公の人となりを浮き上がらせるタイプの作品は時々見かけますが、非常に上手くできていたと思います。

役者さんについても少し。
個人的に森永悠希くんがよかったです。
確か「青の帰り道」の方でしたよね…?そこからの起用かなと思いました。

主演の杉咲花ちゃんは、覗き込むシーンの眼がめちゃくちゃよかった。
生気のない目。

チーズfilmの戸田彬弘監督なので、石川瑠華ちゃんが出てきた時「やっぱりかー!」と思いました^^納得の役どころ。

あと、中村ゆりさんが確か高崎映画祭で助演賞を獲られていましたが、納得の演技でした。帰って来て、見て、市子にかけたリアクションが凄かった…歌も凄かった。あの歌が全編で流れていましたが、なんていう歌でしたっけ?聴いた事ある曲だったんですが…「にじ」という曲なんですね。1990年に発表された曲、そんな最近だったのか!ちゃんと時世に合わせてあったのか…凄いな!!

この解釈が正しいのかわかりませんが、
 すべての引き金を引いたのは、若葉竜也くん演じる長谷川だった
という事実が、非常に重かったし、絶妙だと思った。
(多分そうですよね…?ニュースより前に荷物をまとめていたので)

良かれと思ってしたことが(婚姻届)、彼女にとっては最大の難関になってしまったという事実。

事を大きくするために色々と複雑化させていますが、
実はそこは大事じゃなくて。(削ぎ落としても同じ問題が起こる)
結局はシンプルにそれが問題なんだということ。
それが悲しくて、重かった。

これはネタバレになっちゃうのかな…?
ある作品を連想しましたが、案の定、(アマプラの)次の作品としてそれが出てきました。コメント欄に書きますね。

ドラマ「アンメット」を観ているので、本作はドラマを放送しているうちに観なければ…と思っていましたが(杉咲花×若葉竜也なので)、もっと早く観ておけばよかった。観れてよかったです。
(逆にちょっとドラマの方の見方が変わってしまうかもしれない)
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