圧倒的厨二反抗映画。冒頭で息子と親父が平手打ちし合いながらカメラに向かって歩いてくる笑
ベロッキオの映画はいつも怒りに満ちているが本作はその中でも屈指。
宗教学校の生徒たちは列を生して学校の像に順繰りに唾を吐きかけていくし、神父の死体をぶん投げるし。

強烈な運動だらけでまぁ楽しい。
1番好きなのは、眼鏡インテリ君の家で反抗の作戦会議をしてると、ママン(ラウラベッティ)が介入してくるのだが、主人公の青年が腕組みしながら足でドアを強烈に閉じるとこ。
1歩間違えればベッティの首が飛ぶシーン。最高。

これはベロッキオの中でも指折りの良作。

神学校が舞台だが、生徒が素行不良で暴れまわる、殴る蹴るはもちろん椅子や死体を投げる、彫像に唾を吐きかける(この反抗的スローモーションの素晴らしさを観よ！)終いには発砲まであり全暴力を網羅する勢いの傑作。青山真治もベストに挙げていた。

徹底して破滅し続ける。甘さなどはどこにもない。あらゆる暴力をここまで一つの映画で描き切った作品を他に知らない。『ポケットの中の握り拳』でのどうしようもない病みっぷりが更に極限へと押し進められる。デビューの段階から天才の名に相応しく圧倒的強度の若さをフィルムに焼き付けた人って本当にゴダールかペドロ・コスタかベロッキオぐらいだろう。カット割のキレなんてとんでもない。世界最強クラスの割っぷりに本物の才能を目の当たりにしていると確信できる。

2021年新3大開催して欲しい映画特集
・ジョン・フォード特集
・モンテ・ヘルマン追悼特集
・マルコ・ベロッキオ レトロスペクティブ