菩薩

死ぬ間際の菩薩のレビュー・感想・評価

死ぬ間際(2020年製作の映画)
2.5
一方的に他人の人生を掌握する事をそれもまた愛の裏返しであるとしてしまったら、世の中に存在しているあらゆる抑圧がまるで消滅していかないのではないか。しかも創造主がなんたらかんたらって、余計に観念的なムードに持っていく割には結局「いや愛だろ…愛…」の落とし方は如何なものか。その男は逃避の過程の中で誰かの死をもって女性を解放していく訳だが、これは「縁を断ち切る」行為として見るべきなのかな、そして自身の縁も最後には断ち切らあれる事になる。本当に物語る事にはまるで興味がなく、その場その場で最適な画を撮る事に重点を置いているのは分かるのだが、これを劇場で観ていたら俺はおそらく即死していたと思う。どうせならずっと画面奥に向かって逃げて欲しかったけど、ちょこちょここっち側に向かってくる。あと追跡側のズッコケ三人組が三台の車を使用してるのはなんの意味があるのだろう…謎過ぎる….。これは完全に岩波ホール案件、ただその場合場内ではおっさん共のいびきのハーモニーが奏でられるだろう…。ロケーションの勝利。
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