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トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そしてのhikarouchのレビュー・感想・評価

3.9
色々この問題がアレな昨今、各所でオススメされていたので見てみた。

「LGBTQ」とひと括りにしがちだけど、たしかにこの頭文字それぞれで全然別物なんだよね。本人の性同一性と、性的指向とは別の話。なるほど。
その中で、本作ではタイトル通りTに焦点を絞っている。

LGBは、最近の映画ではかなり当たり前のものとして描かれるようになってきたけど、それに比べるとTはちょっと遅れをとっている感じあるよな。「ダラス・バイヤーズ・クラブ」のジャレッド・レトや、「リリーのすべて」のエディ・レッドメインなど、シスジェンダーの男性俳優がTを演じてしまうと、映画賞のスピーチなどでは完全にシスの男性として表舞台に現れるから、Tの人たちが一枚かわを剥げば男じゃないか、と印象づけてしまうという問題があるというのも、言われてみて初めて気づいた問題。

(まあ、日本にはゲイのカップルを男女のシスジェンダー俳優で描いてしまうひどい映画もあるけれど。。)

また、Tの人たちは仲間の存在に助けられるというくだりも、言われてみれば。日本にも、新宿二丁目など、そういったマイノリティの人たちが集まってくる場所があるが、彼らも様々なところから、仲間を求めて、居場所を求めて集まってきているのだと、あらためて気付かされる。

同じ世界をみていても、知っているかどうかで見える景色は変わってくる。そういうことを思い出させてくれる、良いドキュメンタリーだった。
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