向いている人:
①ドキュメンタリーが苦手な人
②映画の舞台裏が好きな人
チネマット試写会で取り扱った作品です。
様々なセレブのメイクを担当してきた「ケヴィン・オークイン」という人物の実像に迫ったドキュメンタリーです。
「劇映画」ではないので、「苦手」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、本作に関しては心配無用です!
まずは、ケヴィンという人がとっても魅力的! どんな人に対してもフランクに、フラットに接する姿が印象的です。だからこそ、ブルック・シールズをはじめ、数々のセレブの信頼を勝ち得てきたんだと思います。
次に、彼の人生が本当に波乱万丈。アメリカの片田舎で生まれましたが、とても窮屈な思いをしてきました。
アメリカといえば「自由の国」のイメージですが、実はとても保守的な国で、「アメリカ的な価値観」以外の価値観に対する抑圧はとても強いと聞いています。ケヴィンも、自分の「好き」を徹底的に否定され、抑圧されてきました。
しかし、田舎を飛び出して大都市ニューヨークに出て、だんだん当時としては珍しかった「メイクアップ・アーティスト」として頭角を現していきます。
メイクとは、その人が生来持っている魅力を引き出すだけでなく、その人を別人に変えることができます。
人の意識を変えることでもあると思いました。
本人にはそんな意識はなかったかもしれませんが、僕は、本作は「メイクを通して世界を変えようとした人物」の壮大な一代記だと思います。アメリカに革命を起こそうと本気で思っていたケヴィンの気概と苦悩を感じる102分でした。
本当に惜しい人を失くしたと思います。
ウィノナ・ライダーなど、映画関係のセレブも出てくるので、映る人物も豪華な作品でした!
眉のくだりは笑いましたww