こなつ

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのこなつのレビュー・感想・評価

3.6
文芸版「プラダを着た悪魔」という宣伝文句に魅せられて鑑賞したひとり。

「プラダを着た悪魔」の舞台が女性の憧れの仕事であるファッション雑誌の編集部だったことと比較すると、日本ではまだあまり知られていない出版エージェンシーの編集部ってこんな感じなの?というところから始まった。

作家になることを夢見た若い女性が、何者かになりたいという強い思いで切磋琢磨し、仕事や恋愛にぶつかっていきながら、理想と現実の間で揺れ動く姿は、同じ状況で悩んでいる人達にとってはとても励みになる作品だと思う。

サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」は読んだことがないのだが、ジョン・レノン暗殺事件の犯人がそのペーパーバックを持っていた事でその本の存在は知っていた。

サリンジャーという作家は、本人に関する情報が極めて少ないらしい。真実であるかはわからないが、人前に出ることを嫌い、頑固な世捨て人のイメージで知られている。そんな彼がジョアンナの生き方に大きく影響していくストーリーがなかなか面白い。

マーガレット・クアリーは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン ・ハリウッド」のあのカルト集団のヒッピー役のあの子?と思わせるほど、今回は正統派のきらきらとしたお洒落で可愛い女性を演じていて好印象だった。さすがモデル出身の2世セレブ女優という華を感じた。

「エイリアン」や「アバター」でのイメージが強いシガニー・ウィーバーは、70歳という年齢には思えない安定感のある演技で感動。

途中、現実なのか、空想なのか意味不明な場面もあって、頭の中で繋がらなかった私の理解力の乏しさがちょっと残念だった。
こなつ

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