ここ数年見た映画のなかで、この佐々木ほど心揺さぶられるキャラクターいたか？というくらいに、佐々木が素晴らしかった。圧倒的に佐々木だった。
「できるからやるんじゃないだろ！できないからやるんだろ！」
「お前絶対バスケでコロス！！」
「なんで金払ってゴミもらうんだよ！」
バカっぽくて爆笑のセリフの中に、それでも何か光るものがある。それらが、ちゃんと自分の目で世界を見て、自分の頭で紡いだ言葉を発する人間の言葉だからだと思う。
あの佐々木コールは、解釈分かれそうだけど、ぼくの捉え方では、あれ全然美談なんかじゃない。
佐々木の人生、親との関係を思うと、彼が心にぽっかりと空いた穴を何かで埋めたがっているように見えた。自らの恥を捨てプライドを捨てることと引き換えに得たクラスメイトたちの注目と笑顔。道化にならざるを得なかった彼の背景と思考に、胸が苦しくなった。
（あのシーンをみて「コールされたら調子のって服脱いじゃうバカなやつ、まじ最高！」みたいな感想を抱く人結構いるみたいで、、こわいな、、、君たち、いじめっ子だよ。気づいてる？）
佐々木のキャラ造形が良すぎて、この映画の全てを手放しで最高！って言いたくなっちゃうけど、意外と他の部分が凡庸だった気はした。藤原季節演じる主人公の恋愛周りとか、話として繋がってるような繋がってないような。早く佐々木の話を見せてくれって気持ちになっちゃった。
全然本筋じゃないけど、赤ちゃんたぶん本当に泣いててかわいそうだから早く離してあげてって思っちゃった。
それでも、この佐々木にまた会うために、この映画また何回も見ちゃうと思う。
