映画ネズミ

マリグナント 狂暴な悪夢の映画ネズミのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
4.7
【タイプ】ネタバレになるので書けません💦
向いている人:現在18歳以上で、映画が好きな人

 見る前は、できるだけ情報シャットアウトして、何も調べずに観に行ってください!

 ジェームズ・ワン監督による5年ぶりのホラー作品です。

 妊娠中の女性マディソンは、ある日、目の前で恐ろしい殺人を幻視する。その殺人は現実でも起きていた。そして、殺人鬼は次第にマディソンに迫ってくる…。

 いやー。やってくれますねジェームズ・ワン監督!

 R18+指定なのでかなり覚悟して行ったのですが、グロ描写は抑えめです。殺人シーンも、肝心なところは見せなかったりと配慮されています。

 ホラーシーンも『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』の方が怖かったかな、という印象です。

 前半は『死霊館』『インシディアス』の前半のように丁寧にホラー描写を積み重ねていく展開。ややローテンションですし、ありがちと言えばありがちなので、ここは評価が分かれるところかもしれません。

 僕は、主人公マディソンの日常が崩れていく描写に惹きつけられました。主演のアナベル・ウォーリスの儚げな雰囲気と大きな目が効いてます。

 ところが後半、ある謎が明かされてから、この映画は大きく転回します。

 後半は、まさにお祭り。こんな展開見たことありません。怖いのに、不気味なのに、異様なテンションとエネルギーのおかげでハイになります。『狼の死刑宣告』『ワイルド・スピード SKY MISSION』『アクアマン』というアクションエンタメ作品で経験を積んだからこその、ぶっ飛び上等の展開が繰り広げられます。

 全体的に、長く続くホラージャンルへの愛に満ちた作品になっていて、監督が好きなものを無節操にぶち込んだ「おもちゃ箱」的な面白さがあります。特に、70年代~80年代のホラー映画・サスペンス映画が好きな人は、喜べるところが多いのではないでしょうか。

 影響を受けた監督を挙げるだけでネタバレになるので、ここには書きません。

 所々に『ソウ』で見せた360°回転するカメラワークや、『ワイルド・スピード』で見せた「ロックボトム・カメラワーク」を取り入れていたり、監督の作品の集大成にもなっています。

 100点満点で前半60点とするなら、後半は600点でしょう!!

 できるなら、脇役の人にもう少し魅力が欲しかったな、という気がします。マディソンの妹役以外は、総じてあまり魅力的に感じなかったです。ジェームズ・ワン監督、他の作品では脇役も魅力的だったので、そこは残念かな、と思いました。

 とはいえ、この秋、「面白かった~~~!」と心から言える作品の1つです! 今、劇場で体感してください!

 詳しく書きたいので、ネタバレコメント欄に書きます。未見の方は絶対に見ないでください!!!

 コメントをくださる方がいらっしゃいましたら、ネタバレにはご配慮ください。
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