正視に耐えないくらいしんどい話だけど、同時にここ最近見た映画の中で一番面白かったかも。ドキュメンタリー的な生々しさと、物語映画的なスリリングな展開と、2つの面白さが共存しているのがすごい。
添加物としての音楽を排して、監督の言葉を借りれば「芝居と、演出と、脚本で見せ切る」というストロングスタイル。
正義って、言うは易しで、貫くのは生半可じゃないよねってのが、嫌というほど身に沁みる。
また、人間の早計な「ジャッジ」の危うさ、愚かさも痛感させられる。
主演の瀧内公美は、こういう役で輝くのね!「大豆田」とかでハマってないなーと思ってたけど、こういう男だらけの世界で肩肘張って生きていく女性像にめちゃくちゃハマっていた。
「水かけられて濡れてる」とか「時計のプレゼント渡す、受け取らない」とか、セリフ外の演出で見せる語り口も好き。
結局何が真実なのか、その解釈も開かれているけれど、それでもこれだけ色々なものを持ち帰れる。
スタッフ15人、制作費1500万でこれだけすごい映画が作れるのね。監督の次作が楽しみだわ!