Solo1968

すばらしき世界のSolo1968のレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
2.7
これほどの一流役者さんともなると、もう全ての出演作品を見る事なんてのは不可能で、恥ずかしながら昨年に 虎狼の血を体験して、一流の役者さんの凄さを改めて噛み締め、一言で言うと、絶対的な安心感というか、すぐに心を掴み作品に誘う力というのか?とにもかくにも、一流の役者さんは、もう出てきた途端に一気に空気を変える凄まじさを持っていて、
それは、単に美男美女とかそういう一面ではなく、佇まいは、どんな役でもセリフを発する以前ですら 引き込む凄さを持ち得ている。
数多く存在する そんな一流役者さんの中の一人でもある役所広司さん主演の本作を 随分と時間がたった今体験した。


比較的登場人物も少なく 複雑な人間関係もなく、彼を取り巻く人物たちもわかりやすい人物像であり、そして、こちらも素晴らしいキャストで固めているので、タレントとかしょーもないアイドルみたいな非役者さんが存在しないので、とにかく安心して作品に没頭出来た。
作品中盤において、運転免許の一発試験での 場面なんかで、もう早くも 作品のラストを想像して きっとハッピーエンドでやっほー
なんて事がなく、切なくてやるせなくて 泣いてしまうだろうという予測と心構えで見た。

中盤から後半にかけて 光のボケを大胆に使ったとても抽象的なシーンと音楽が印象的で、けどもこの美しさが意味する事、明るい未来をどうせ掴めずに 人のためにきっと命を落としてしまうだろうなどの詮索をしつつ、後半において、再就職後の「生きづらい世界」における、割とやり過ぎな程に 腹の立つ クズのような 善人の面をした下衆のくだり、などにもヒヤヒヤしながらも どんだけ、泣かせるんだよと覚悟をしていたが、

余韻をもたす

という言葉が正しいのか否か?

体験した事のない、ぶったぎりのエンディングには
僕は正直 余韻ではなく、
大きな疑問符が残った。

ここで追えずにあと八分程度の尺でいくらでもわかりやすい感動を僕のような感覚の鈍い人に植え付けられるのに、あえてやらない。

凄いなぁと思った。

なので、涙を出す余裕もなく 
え??
で終わってしまった。

四小節あるサビの二小節で
バシっとおわる

なんかそんな感じだった


素敵な作品であるのは間違いなく
改めて 主人公はじめ、彼を取り巻く人々のセリフも色々と心に残る名セリフだらけであるのも間違いない。

仲野大河さんは、それにしても凄い素敵な役者さんだなぁとこちらも感激した
Solo1968

Solo1968