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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのhikarouchのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

こんなもん、ネタバレなしでは何も語れんやないか!!

過去のスパイダーマン、個人的には特にアメイジング・スパイダーマンを成仏させてくれたことに、これまで映画では味わったことのない感動と感謝の気持ちを覚えた。

世間的には失敗扱いをされているアメスパだが、filmarksレビューを見てもらえると分かるように、ぼくは大好きなシリーズだった。3作目も当然あるものとして、楽しみにしていた。しかし、シリーズは打ち切りになった。これまで無自覚だったその喪失感に、この映画であらためて気付かされた。そして、救われた。

アメスパの物語としても、ピーターがグウェンを失った喪失感がどこへも行けないまま漂った状態だった。それを本作で、グウェンを失ったのと同じ構図で、今度はアメスパ・ピーターにMJを救わせることで、その無念を晴らしてくれた。この場面は本当にグッと来た。

そしておそらく本意ではないであろう形で主演作が打ち切りになってしまったアンドリュー・ガーフィールドに対しても、良かったねという気持ちになった。本作ではアンドリューが本当に良い顔をしていたのが印象的だ。

アンドリューとトビーがスパイダースーツを着て肩を組んでいるだけで、グッときてしまう。こんな気持になるとは、予想していなかった。

お分かりのとおり、もはや感想が映画の中から飛び出して、現実世界と渾然一体となっている。文字通りマルチバースとして、映画内世界と現実世界が繋がって、感激に繋がっている。こんなことができるのは、スパイダーマンという作品でしかあり得ない。

2002年のサム・ライミ版スパイダーマン1作目。学校をサボって同級生たちと地元の映画館に見に行ったことを思い出す。(お母さんお父さんごめんなさい。)翌日の学校で、みんな手首から蜘蛛の糸を出すマネをしてはしゃいでいた。あれから20年、スパイダーマンはずっとリアルタイムで劇場鑑賞してきた。長く付き合ってきて、こんなご褒美をもらえるなんて思っていなかった。

映画単体として傑作といえるような作品では無いかもしれない。前半のヴィランとの絡みはそこまで興味を持てず、冗長に感じてしまった。それでも、自分には決して忘れられない一本になった。

エンディング曲にデ・ラ・ソウルのマジックナンバーを使うというのもシビレた。3というのは、もちろんMCUスパイダーマン3作目であり、3つのスパイダーマンシリーズに3人のスパイダーマン、そしてピーターとMJとネッドという3人の親友たちのことも示していた。そしてそれは、ドクター・ストレンジの”魔法”にも匹敵するほど強力な”マジック”ナンバーだった。自分の加齢のせいか、MCUスパイダーマン自体はそこまでハマっていたわけではなかったが、この3人の友情関係が、他シリーズにはない本シリーズの素晴らしいところだったと思う。

え?アメイジング・スパイダーマン3制作説があるの?・・・やめとけい!!
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