EnzoUkai

シン・ウルトラマンのEnzoUkaiのレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.8
シンゴジラでの過去作への偏執的リスペクトは今回も。
シンゴジラはゴジラ過去作以上に戦後日本映画全般へのリスペクトも大きく、みてる私も同年代として非常に胸のすく出来栄えだった。
リスペクト!
一言そう言っても庵野氏の隠せない大きなリスペクトは間違いなく実相寺昭雄監督へのもの。シンゴジラでもそれがよ〜く分かった。いやいや、シンゴジラだけじゃないテレビシリーズのエヴァンゲリオンの時からそうだった。

リアルタイムで彼が作ったダイコンフィルム製の自主映画を見てるから、ウルトラマンを作るに至る未来はまったく想像に難くなかった。
そして、シンウルトラマンとは言うものの愛と正義の使者に変わらぬウルトラマンの姿にホッとするところもあった。
やはり、もしや?の換骨奪胎を期待もしてたところもあって、激変は覚悟した上での鑑賞だったけど、結果あまり疲れ過ぎずに良かった。昭和の時代に描かれたウルトラマンと人々の関係は変わることはない。また、当時の製作者たちの意図を充分に汲んだ話を作っていると思う。

それにしても、本当ウルトラマンってカッコいいのかカッコ悪いのかよく分からない。見慣れてしまってるから違和感もなく見てられるのだが、冷静になってみるとちょっと気持ち悪いのかも。
まぁ彼の国のスーパーマンもケープとモッコリ男って言われてるみたいだから、どっこいどっこいなんかな(笑)

ゴジラは核兵器の脅威。
ウルトラマンは集団安全保障の危うさ。
戦後日本を取り巻く問題の象徴として生み出された。
この国は未だに何も解決できていない。
こうした映画がリアリティを持って作られ続けてる限り、国の状況は良くないってことだろう。

少し見てて「大日本人」のことを思い出してしまった。
このシンウルトラマンが「大日本人」の時みたいに最後がグタグタになっても逆に面白かったのかもってね。
戦争ってたって所詮ガキの喧嘩のレベルってね。
EnzoUkai

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