映画ネズミ

エターナルズの映画ネズミのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
3.3
向いている人:
①MCU作品を初めて見る人
②マ・ドンソク、アンジェリーナ・ジョリー、バリー・コーガンが好きな人

 さて、いま絶好調のMCUの送る最新作、『エターナルズ』を見てきました。

 今回の作品は、「エターナルズ」というヒーローチーム(というより家族?)の紹介編なので、MCUを見てこなかった人も、ここから見て全く問題ありません。

 アカデミー作品賞受賞作『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督がヒーロー映画!?と驚きましたが、見てみるとなるほど、と思いました。

 まずは雄大な自然。海、平原、朝日や夕陽、森など、広い自然を美しくとらえる映像は、まさに『ノマドランド』のそれです。2時間半、終始うっとりさせられます。テレンス・マリックゆずりの逆光撮影も魅力的でした。

 次に、ホームドラマ。本作はヒーロー映画というより、家族の別離と団結の映画でしたね。エイジャックを親とする家族が仲たがいしながらも次第に絆を深めていく様子が良かったです。

 ですが、仕方ないこととはいえ、MCUシリーズを見てきた身からすると、「あなたたち、あの時どこで何してたの!?」問題が気になっていたのですが、作中で提示される「後付けの言い訳」にもあまり納得できず……💦

 そもそも外宇宙から来た神様たちの物語なので、「知らないうちに守っていただいている側」の自分からすると、どうにも彼らのメインの悩み事に共感できず……💦という難点は正直あります。

 とはいえ、何よりキャストたちがものすごく魅力的でした。

 『ゲーム・オブ・スローンズ』のジョン・スノウことキット・ハリントンがお好きな方は、それほど期待なさらない方が良いですが💦、マ・ドンソクとアンジェリーナ・ジョリーのコンビ(というよりカップル?)は特においしい役どころで、マ・ドンソクはあのぶっとい二の腕を存分に活かしたアクションも披露してくれてアガりましたね! アンジーも元々アクション経験があるので、ちょっと上から目線で相手をのしちゃう当たりは、『トゥームレイダー』の頃が帰ってきたようで、懐かしかったです。

 チームのリーダーになるジェンマ・チャンも、「何もできない人がリーダーになる」という王道の成長をたどるところが良かったですし、リチャード・マッデンの闇をたたえた瞳は、ニコラス・ホルトの再来だ!と思いましたね。

 パスタの大食いでおなじみバリー・コーガンも、今回様々な表情を見せてくれて、彼が出てくる場面も残らず良かったです。

 ということで、物語にはあまりノレませんでしたが、キャストと映像がとにかく魅力的な本作。誰か1人でも好きな俳優さんがいれば、気に入ること間違いなしです!
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