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エターナルズのhikarouchのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
3.7
すごい長い映画だけど、それ以上に要素の多いてんこ盛り映画だった。これだけのことを描くならこの上映時間もやむ無し。
ちょっと期待値の置き方が難しくて、クロエ・ジャオ映画とマーベル映画、7:3くらいのつもりで見に行ったけど、比率逆だったかも。

予想以上にアクションシーンの迫力とVFXの楽しさは紛うことなきマーベル映画だった。またこれだけキャラクターが多く、全員が初お目見えにも関わらず、それぞれの個性を描くのみならず、彼らの関係性まで綿密に埋め込んで、エターナルズというチームに感情移入させてしまう手際の良さはサスガとしか言いようがない。ドラマシリーズで何話もかけてやるようなことを1つの映画の中でやりきっているんだから、すごいね。人物名も、誰が誰だっけ?と混乱するようなことはほぼなかった。
このチームの入り組んだ関係性と閉じた世界観は、ちょっと幻影旅団っぽさを感じたり。どのキャラも魅力的だったね。
あまりにもあからさまなダイバーシティ設定も、そこまでやるかってのは感じたけど、時代の過渡期ということで、無理にでも入れ込むことに意味があるという判断なんだろうね。

一方でクロエ・ジャオ印とも言える雄大な自然風景と被写界深度の浅い映像はこれまでのマーベル映画にはなかった美しさと静謐さがあるのだけど、ド派手なアクションシーンの間に挟まることで逆に地味さが目立ってしまい、正直ちょっと眠気を誘われもした。

DCコミックネタも織り込んだナリフリ構わないコメディのノリやマブリーいじりは楽しかったし、エンディングの実在する(だよね?)歴史遺物が本作の世界とつながる映像は素晴らしかったけどな。でもこの辺は監督の仕事ではなさそう。

これは原作があるので仕方ないんだけど、5000年以上も生きているキャラってのが、やっぱ腹に落ちないんだよね。それだけの長きに渡ってサバイブしているだけの強さもあまり感じないし、何十世紀もの人生経験を積んでいる割には人格が成熟していなかったりするのも、違和感。端的に、5000歳には見えない。また、人間社会に紛れ込むにも、自分だけが年を取らないのに、どうやって疑われずに暮らしていくのか。5年置きに住む場所を変えるみたいな説明もあったけど、それ5000年間やり続けてるの?それこそ、しにたくなりそう。。。

あと最強キャラの必殺技が目からビームってのもねえ。。もう見飽きた能力だし、どう考えても使い勝手悪いでしょこの能力。あとホームランダーがノイズになって、この技使うやつ悪役にしか見えないんだよな笑。

ゲーム・オブ・スローンズ過ぎるキャストだけでなく、ジョン・スノウに「I Love You, Sersi」って言わせるのには笑った。SersiってCerseiとほぼ発音同じじゃない?わざとなのか?

なんか文句っぽくなっちゃったな。IMAXレーザーで見た映像は凄まじかったし、お話も予想のつかない展開に、飲み込みやすいストーリーテリングで、普通にみて十分に良い映画だったのに!
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