Solo1968

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方のSolo1968のレビュー・感想・評価

4.2
冒頭にレビュー後二日経過しての心境を追記します。

あまりに良すぎて 何か次に観たい映画を探す気にならず。動物ものが観たいわけでもネイチャーものを観たいわけでもなく、この感覚をいつまでも持っていたく、全く関連性のない別ジャンルを観るのも良いが、今はまだずっと本作が脳と心に強く残り新しく観る映画がきっと入って来ないような気がして 全然映画を観たいと思えなくなるほど心を揺さぶる作品でした。わたしには、、。

邦題やキャッチコピーが今ひとつ 安っぽく せっかくの作品を これらのセンスで期待値を下げてしまっているが、結果それにより何とも言い表せない清々しい感動を得られた(満足度って、期待値に対してのギャップ←上ブレの大きさなので)。

 作品の中盤で既に言わんとするテーマは誰にでも受け止められるはずだが、繰り返される絶望と希望の光のリレー。作品では 波に乗る、、リズムを掴む、と言った表現を使っていたはず。
 巨大な地球の全ての生命、自然の波を掴み そのリズムに乗る事。
 沢山のネイチャーもの作品や動物のドキュメンタリーなども観てきたが、こんなに壮大な規模の自然の摂理をわかりやすく描いた作品ははじめてだった。

死んでしまった土地を人間の僅かな力と自然界の連鎖の壮大な力で蘇らせるという 考えもつかないスケールは、ありきたりな自然保護、森林伐採を非難するという端的なメッセージではなく、説教臭さを全く感じさせずに 単にこの地球の自然の奇跡を主人公夫妻の記録と学びの数年をテンポ良く 誘い、感じさせてくれた。

 彼らの師であるアラン氏の言葉の数々は含蓄があり、全て心に残るものばかり。

 文明の進化を否定する要素や「皆で都会を離れて山奥で自然と暮らそうぜーー オーガニックバンザーイ」という事で無く、僕らの生きる地球上の自然の摂理って、実は凄いバランスで成り立ってる ちゅうことを
分厚い専門書や小難しい用語知らずに 学ばせてくれる 凄い教材。 主人公と共に生活する多くの動物たち 犬などは比較的身近な存在だが、牛 豚 羊 鶏 と言った動物たちにここまで感情移入させられたことが無かった。
製作者、主人公のカメラマンの人のセンスあってこそ。もちろん動物だけでなく植物であり 恵であり災害にもなる 自然の天候 季節の映し方 表現と編集もお見事としか言いようがない。

 
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