すごい質の高い映画だと思う。見るタイミングが違えば、もっと心にぶっ刺さっていたかもしれないけど、なんとなく今の気分にはハマらなかった。
どことなく、良き日本映画っぽさ、是枝みを感じた。セリフだけでなく、画面に映るもの、聞こえてくる音、あるいは映らないもの、聞こえないもの。映画が使えるもの全部で伝えてくる感じ。でも非常に静かでさり気なくて、押し付けがましくない。イ・チャンドンのバーニングを見たときにも感じたような、職人技のようなもの。これが長編映画監督デビュー作とは、キム・ボラという人、こわいです(褒)。
ただちょっと鬱展開とは言わないまでも、ジリジリと嫌な展開が続くので、どんよりとした気持ちになってしまった。おれはなんでこんな気持にならなければいけないんだ、と思ってしまったな。
また気分の違うときに見直してみたい。