椿本力三郎

ペイン・アンド・グローリーの椿本力三郎のレビュー・感想・評価

3.5
シルベスター・スタローンやドルフ・ラングレンのように年齢を重ねた方がアクが抜けて良い感じになった俳優が多いが、
アントニオ・バンデラスもその中に入る、しかも上位で。

年齢を重ねるということはこういうことなのだな、と考えさせられた。  

人生の終盤戦に入ると、過去の葛藤や対立、そこから生じたやり残した人生の宿題を片付けていかねばならないが、
この作品の主人公のようにエッジの立った作品で記憶されている映画監督は
そのトガッた感性ゆえに生じてしまった衝突とか誤解など、
清算せねばならない過去が一般人よりも多くあるのだろう。

少年時代の出会いがその後の人生に大きく影響を与えていることも
とても美しく静かな描写で伝えていく。
スペイン語が音楽のように心地よい。