hikarouch

ラストナイト・イン・ソーホーのhikarouchのレビュー・感想・評価

2.6
近年見た映画の要素を色々寄せ集めてエドガー・ライトで味付けしたような映画だった。プロミシングヤングウーマン、ゲットアウト、透明人間あたりとか?

撮影はキレイだし、特に序盤のロンドンの新入生追体験な流れは、単純に旅行(留学?)気分を味わえて良かった。パブやクラブの感じとかも、あーこういう感じかと。

ただ、「ショービズ界で女性が搾取される構造的な問題」ってやつ、そろそろ食傷気味かも。そりゃ業界に近い作り手たちにとっては重要な問題で、繰り返しこうして戒め続けないといけないってのは分かるんだけど、業界から遠いこちらとしては「いや、おれやってねーし。見たこともねーし。」ってのが本音。映画泥棒のCM見せられてるときに近い不快感をもってしまった。
それとも、そういう搾取構造の上に成り立った作品を楽しんでいるこちらも共犯だから反省しろって言いたいの?そりゃないぜ〜。「搾取構造の上に成り立った作品です」ってちゃんと明示してくれたら、見ないよ。

まあここのところが引っかかっちゃったのは、その語り方のマズさもあったかも。あの非常に都合の良いカレシの存在が、Toxic masculinityな本筋の文脈と自己矛盾を起こしているように感じられるのよね。そしてその都合の良い男に、都合が良いという理由だけ(にしか見えない)で尻尾を振ってしまう主人公の行動が、むむむ?となってしまう。

あと、いじめっ子の描き方とかも、記号的で浅薄だったなあ。

いや〜、ベイビー・ドライバーに続き、エドガー・ライト監督作、やっぱり合わないわ〜。。苦笑 好きな人、気分悪くしたらごめんね。

ただとにかくもう、トマシン・マッケンジーが魅力的で、それだけで見れちゃった感じはあるかな。パワーオブザドッグのちょい役でもかわいすぎて異常に目立ってたけど、やっぱ素敵ですねこの子は。今後の作品にも注目したい。
hikarouch

hikarouch