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宮本から君へのhikarouchのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
2.7
この宮本という男を好きになれるかがそのまま、この映画を好きになれるかに繋がる気がする。

私は好きになれなかった。というか、許せなかったな、この男を。

自分の恋人がいる場で、我を失うほど泥酔してしまう人間が、まずダメ。無理矢理に飲まされたのならまだしも、宮本はその場のノリを優先して自ら一升瓶をラッパ飲み。この映画ではそのせいで最悪な結果に繋がってしまうが、あの結果が分かる前から、コイツふざけんなよと思いながら見ていた。そんな心許せるようなメンツでも場所でもないだろうよ。
そして思い返すと、宮本はその後いろいろなことがあった後で、彼女の実家に結婚の挨拶に行ったときにも、必要以上に自ら酒を煽って酔いつぶれている。微塵の反省の色なし。そんなのでよく守ってやるとか威勢よく喚いているなと呆れる。というか腹が立つ。

この実家のくだりがなければ、もう少し素直にこの映画を楽しめたのかもしれない。それくらいに、自分にとってはアウトなシーンだった。

最後の方で、宮本自身が吐き出したように、とにかく自分がどうしたいかという感情と衝動にのみ身を委ねている男。それを手放しで褒め称えて良いのか?本作の原作は90年代の漫画だそうだけれど、(未読だが)その当時の”男らしさ”をアップデートせずに描いているように見えた。これに共感しちゃダメじゃないかねえ。。

作り手の熱い魂が籠もっているのは伝わってくるし、駄作と切って捨てる気は毛頭ないけれど、この作品が押し付けてくる正義が、受け入れ難かった。
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