長さを感じさせずに見続けてしまう。
ただ終わり方にしっくりこない。
凄くきれいなまとめ方で、観終わった感はある。
ただ綺麗すぎる気もした。
スカっとはしないが、スカっとするのを求めすぎる自分がいる気もする。
このモヤモヤを抱えて生きたほうが糧になる気もする。
スカっとしてしまったら、問題が解決したと勘違いしてしまう。
消費させてはいけない。
そんなことも感じた。
ディカプリオとデ・ニーロの話し方、仕草、全てが完璧。
目から違う。
ディカプリオの笑い方も良かった。
ディカプリオ演じるアーネストは最後まで自己保身だったなあ。
モーリーが道を誤らないでと言ったにもかかわらず、最後まで間違えた。
ラストチャンスだった、薬の中身は何なのかという問いに嘘をつき、インスリンと答えてしまった。
モーリーを演じたリリーグラッドストーンも凄く良かった。
目線だけで表情や感情が伝わる。
それと刑事役のジェシー・プレモンスが好きなので、今回も良き。
醜い欲にまみれた男たちのどうしようもなさ。
アーネストはモーリーを愛していたのか。
モーリーへの愛というより、自分を愛してほしくて、というのが強い気がした。
誰からも嫌われたくないみたいな。
主人公がアーネストだったから、よりすっきりしないモヤモヤが残る。
モーリーのことが大切なんじゃないかとか思わせる部分はあるが、なんか違和感がつきまとう。
やっていることはずっと非道い。
終始クズ。
それでも観てしまうのは構成がうまいからなのか。
最後の最後まで観てしまった。
デ・ニーロ演じるヘイルはとことん金、どこまでも金。
何に使うわけでなく、金への執着が凄い。
際限なさが怖かった。
それをあまり表に出しすぎずに見せる演技の素晴らしさ。
最終的にヘイルもアーネストも捕まってはいるが釈放されているし、なんだかなあ。
でもこのなんだかなあが現在もずっと続いているんだよなあ。
この違和感をずっと持ち続けたい。