Ayu

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのAyuのレビュー・感想・評価

4.0
アトロクの招待枠にて当選し、日本最速試写会にて鑑賞。開始前の宇多丸さんの短めの前説から206分映画を観て、10分休憩からの30分の持ち時間を余裕でオーバーしてくる濃厚な解説トークショーも作品への理解が深まって楽しかった(私の腰は終わりました)原作と脚本の違いや後半や最後にいきなり登場してびっくりしたあの人やあの人などまだまだ掘れそう。

206分最初から最後まで濃厚なスコセッシ節。とにかく行き当たりばったりで自我がなく、誰かに言われた目先の事しか実行出来ない考えが浅いディカプリオと、にこやかに他人にはちゃめちゃな暴力を強いてくるデニーロの使い方が大正解。この2人が対峙しているだけで生まれる緊張感がたまらない(あとスコセッシの作品でデニーロを何回観られるのかなと思ったりもした)

リリー・グラッドストーンを始めちゃんとルーツを持つネイティブ・アメリカンの俳優を起用したり、スコセッシ常連のあの人やあの人は忘れなかったりとキャスティングの細やかさ、脚本・脚色の大胆さにひれ伏す。膨大な横広がりの事件や複数の組織の複雑な展開を同時に描き切り、それでいて目に焼き付くようなカットやメッセージを伝え、更に時々どこか可笑しい、エンターテイメントに昇華させてしまう手腕がすごい。

公開したらもう一回観たい、解説が欲しいのでパンフレットは絶対絶対買う。
Ayu

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