Ayu

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間のAyuのレビュー・感想・評価

4.5
ドキュメンタリーが好きだと思っていた。舞台裏を、市井の人々の生の声を映してくれるから。でもこの作品を観ながら、ドキュメンタリーの描く「真実」の残酷さについてたくさん考えた。

意識してフォーカスしているのだと思うのだけど、爆撃に怯え、終いには犠牲になるたくさんの母親や子どもたちを観るのがあまりにも辛すぎた。甥っ子と近い月齢の子、友達の子どもと同じ年の子ども。途中から脳がこれはドキュメンタリーではなく、フィクションの映画なんだと錯覚させようとするのか、ふっと意識が遠く離れたところに行ったような、俯瞰で観てしまう瞬間が多々あって自分が怖くなった。95分の中でウクライナに残るたくさんの人たちを想った。

私が趣味でやっている海外ポストカード文通のポストクロッシングと言うサービスで(システムがランダムに引いたメンバーの住所にポストカードを書く)、日本からウクライナへのエアメールは機能しているので(とは言え首都キーウに着くのに30日前後はかかる、がそれでも届くのがすごい)たまにウクライナの人を引くことがあり、逆にウクライナから届くこともある。初めて封筒で届いたポストクロッシングはウクライナの人からで、中にはウクライナのティーバッグが入っていた。その人たちのことも考えた。早くすべての戦争が終わって欲しい。
Ayu

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