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インゲボルグ・ホルム
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目次

『インゲボルグ・ホルム』に投稿された感想・評価

[「イントレランス」の原点、社会制度の壁に潰された不幸な母親の受難] 60点

やっと追加されたぜ。シェストレム最初期の作品であり辛辣な社会批判ものだが、内容・技法ともに当時としては挑戦的だったのだろうけど、現代の我々から見れば平坦な感じは否めない。結末も完全にセンチに流れており、同情は誘うがそれ以上ではない。

心臓の弱いスヴェン・ホルムは生活雑貨屋を始めるが心臓発作で倒れてそのまま亡くなり、店は妻のインゲボルイが継ぐ。しかし、いくら働いても借金は膨らむ一方で、ついに胃潰瘍になって働けなくなったインゲボルイは破産する。そこで役所から提示された案は子供三人を養子に出す代わりに住まい(教護院)とお金(月20クローネ)を提供するというもの。子供たちを乞食にしたくなかった彼女はそれを承諾する。娘のヴァルボリが病気になり手術が必要になるが、役所は里親に援助は出さない。業を煮やしたインゲボルイは教護院を抜け出して彼女に会いに行く。娘に会うことは出来たが、そのまま教護院に送り返される。養子に出された末っ子が里親とともに会いに来るが、最早インゲボルイを覚えていない。これによって彼女は発狂する。15年後、息子のエリクがインゲボルイに会いに戻ってくる。彼と再会したインゲボルイは正気を取り戻し、息子を抱擁する。

当時の環境を考えるとスウェーデンの若造が作った作品をきちんと輸出しているとも思えないのでグリフィスがシェストレム作品と認識していたかは確かではないが、「イントレランス」の原点「母と法」の形成に一役買ったと言われている。見ていなくても不思議はないし、見ていたら彼の関心に引っかかりそうなのは確か。

というか、発狂した人が正気に戻るのってそんな簡単なんかね。
どれだけ離れていても、母の愛は通ず。


「スウェーデン映画の父」こと、シェストレムの初期作。
社会派リアリズムの要素を取り入れたのは映画史上初らしい(wikiからなので、正確な情報かは不明)。
Filmarksを参照にすると、登録されている作品数は少なく見えるが、実際は多くの作品を撮っており、ベルイマンが登場するまでスウェーデン映画を支えていた。


字幕なし鑑賞なので、詳細を追えているのかは自信なし…(圧倒的英語力不足)。
店を立ち上げた夫婦と三人の子どもたち。
しかし、夫は病気で亡くなってしまい、売り上げの乏しい店を妻ひとりで切り盛りすることとなる。
だが上手いことはいかず、施設に移って何とか生活。
子どもたちを養子に出すという苦肉の策を講ずる。

本作を観終わって、離れていても両親の愛を感じることや、生きていく上でどれほど家族が大切であるのかということかと思った。
けれど、監督の生い立ちを見ると、幼き頃に母親を亡くしており、母親と子どもの愛情を本作の最後に持ってくるところに、監督の願望のようなものが反映されているようにも思う。
遠い場所にいってしまった母親の愛情と、子どもたちを思った本作の母親の姿はどこか被るところもある。


ちなみに『野いちご』のイーサクを演じたのは本作の監督であるシェストレム。
ベルイマンがわざわざキャスティングをしたところに、どれほど慕われていたのかというのが伺える。
マグロ

マグロの感想・評価

3.3
1906年の戯曲原作、シェストレムによる社会派ドラマ。

病により夫を亡くした家族。救貧院による支援ではさっぱり生活も出来ず、母親は3人の子供を里親に出すことに…な話。

ベルイマンがベタ褒めしてた映画。不幸&不幸&不幸でさんざ痛めつけておいて最後の最後で救済するグリフィス的構成(こっちのが早いけど)。

現在は福祉大国として知られるスウェーデンだが、当時は辺鄙に位置する農業国。当然ながら手厚い社会保障制度などはなく、映画に出てくる救貧院程度のもの。
この不幸な母親の物語によって国内で社会保障充実への気運が高まったとか高まってないとか。(因果は不明だが実際1918年には救貧法の改正がされた)

とはいえ、スウェーデンの救貧院や社会福祉に関する論文をざっと漁ってみたけど、ガッツリ言及されている英語論文は一件しか見つからなかった。

ちなみにシェストレムは1907年28歳の時にこの劇の主演をつとめていたらしい。

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