hikarouch

孤狼の血 LEVEL2のhikarouchのレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
2.5
ワシは、この映画に期待しすぎちまったんかのう。やっぱりワシらには、ガミさんがおらないけんのじゃ。それが感想じゃい。

鈴木亮平がすごくて恐い、とものすごい評判だったのでどれほどのものかと思っていたが、こんなもんか。悪くはないけど、もっとサイコパスで、もっとマッチョでやってほしかった。でも耳の形は良かった。
彼の暴挙にしても、最初の筧美和子はエグかったけど、それ以外は全部事後描写だし、今回は暴力シーンのバリエーションに乏しかった。
チンタのスパイ活動に対する制裁も甘々で拍子抜け。死んでから遺体に何したって、それは暴力ではなくイタズラなんだよなあ。

松坂桃李もビジュアルは良いんだけど、キャラクターの魅力は半減してしまったなあ。チンタが亡くなって悔やんでるふりして西野七瀬に後ろから抱きついてるのが、なんかオッサンの下心みたいな匂いがしてすごいイヤだった。

しかし、西野七瀬は、前作の真木よう子に続いての、ダイコン枠だった。こうなってくると、演技じゃなくて演出が悪いのかという気がしてくるね。

それと、ジジイのバレバレスパイを出すくらいなら、次世代の若手悪徳刑事を起用して後世にバトンを繋げてほしかったね。あのジジイに新キャラとして登場させるほどの価値はなかった。


そして今回は脚本もダメだったね。原作がないのでどうなるかと思っていたけど、嫌な予感的中。ご都合主義な展開ばかりだし、登場人物たちの行動がみんな魅せ場のためだけになってしまっていて残念。おまけに最後のオオカミのくだりとか、えーんダサいよお(泣)

これは一作目でも感じていたけど、ヤクザがヤクザに見えないんだよね。広島弁が下手なせいなのかなんなのか。啖呵切るのが様になってない人が多いのよね。このあたりも、仁義なきとか北野映画に遠く及ばないね。

細かいギャグも今回は打率低めだったけど、吉田社長の「パールエンタ」はめっちゃ笑った。音尾琢真と中村獅童は生き生きしていたから、こういうキャラの描き方の方が上手だね、白石監督は。
hikarouch

hikarouch