Solo1968

究極のハピネスを求めてのSolo1968のレビュー・感想・評価

究極のハピネスを求めて(2017年製作の映画)
3.3
 ドイツ在住の映画監督の男性とミュージシャンの女性 のカップル(夫婦なのかはよくわからない)と愛犬の半年程度に及ぶ 壮大なロードトリップドキュメンタリー作品。

 アメリカに渡り ありきたりなキャンピングカーの入手を避けて?!スクールバスを入手し、自らキャンピングカー仕様に三ヶ月かけて改造して ざっくりとした旅の記録。
 
 北米アラスカをはじめ、グランドキャニオンからメキシコに至るまで、彼らの記録した風景は、非日常の自然の美しさに溢れ、当然ながらドラマではないので、ストーリーの起伏なども必要ないが、テンポ良く進む感じは、ほんの少し彼らのバスに乗り共に旅をさせて頂いたような幸福感を充分に得られた。
 エアコンの無いバスでの悪路の移動、、ちょっとした国内での数時間の車移動ですら、ぐったりと疲れる事を考えると全く知らない国でのそれは作中でも何度も過酷と語られるものの、あまり作品としてはその過酷さは、意図的に少なく編集されており、苦労の後の幸福感がより多い、というシンプルなテーマも自然に訴えているように思えた。
 通関ではほぼ毎回トラブルに見舞われるが、何とかクリアして、もちろん この楽しいだけではない旅で二人の間に口論なども無かったはずはないだろうが、そういう気まずいシーンは一切なく、自撮り映像で語られる言葉は全てが前向きなのも心地よかった。

 作品を楽しむ上で自分のつまらない性格が一つ手放しに楽しめなかった事があり、彼らのこの旅の現実性についてだ。

 どちらも、失礼ながら全く知らないお二方だが、どこからこんな大金を得てこんな事が出来るのか?劇中では一切金銭の苦労を思わせる描写が無く、常に それにしても凄いお金がかかるのに、恐ろしい貯蓄があるもんだなぁなどとそういう事を考えてしまったのが自分の落ち度、。
 
 サバイバルにおける生きる事の難しさ、都会生活で忘れている便利さ、人との関わり など、
妙な説教くささのかけらもないのもとても良い点。
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