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女王陛下のお気に入りのmerrydeerのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.6
18世紀イングランドの宮廷を舞台とした恐ろしき女の闘いが煌びやかな映像と薄汚いユーモアと共に描かれております。
個人的に世界史には全く明るくないので、史実を踏まえた楽しみ方というのは恥ずかしながらほとんど出来ないのですが、それでもなお釘付けになってしまう映像美や演出、そして特にメインキャスト3名(オリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン)の演技が凄まじいです。

女王陛下と同じく個人的にもお気に入り補正が入ってしまいますが、中でもエマ・ストーン演じるアビゲイルの可憐で余りにもしたたかに計算高く成り上がっていく様は狂気の域に達しており、益々虜になってしまいます。笑

終盤、オリヴィア・コールマンとエマ・ストーンによる悲壮感を通り越して虚無感すら漂う両者の表情とアン女王が我が子の様に可愛がるウサギ達の群れの映像が意味深に錯綜するカットは観てるこっちの気力まで侵していく後味の悪さと芸術性を感じます。

同監督作はロブスター、聖なる鹿殺し、と中々に癖が強い作風な印象でしたが、ここに来てガツンと決定打を打たれた様な気分です。
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