EnzoUkai

THE BATMAN-ザ・バットマンーのEnzoUkaiのレビュー・感想・評価

3.8
フィルマークス上で皆さんの感想が様々で非常に興味深いです。
映画としては第一級の格を持った作品であるのは間違いないし、アメコメというジャンル物にとどまらない色んな楽しみ方ができる作品であるから多角的な視点でこの映画が論じられるわけですね。

個人的には前作の『ジョーカー』以上の驚きはなかった。それは当然で、あの『ジョーカー』でまた別の扉を開けたシリーズだから今作は試される作品ということになる。『ジョーカー』はほぼ禁じ手とも言える換骨奪胎で、いわば開いた口が塞がらないくらいの衝撃だった(自分のFilmarksの感想が異常に素っ気ないw)。
しかもノーラン信者の私は『ジョーカー』の作風を非常に歓迎した。その延長にある今作も当然ながら歓迎すべき出来栄えだった。
が、、、ノーラン信者の私がどうしても劇場に座っていて、ノーランならどうする?って比較しながら見てしまっていて細かなダメ出しが頭の中に湧き上がってかなり集中できなかった。
その一つ一つは些細なことで、ここには書き出さないが、ただ一点だけ言わせて貰うならCG処理の粗さ。バットマンシリーズの特徴であるゴシック調が僅かなカットで台無しになりそうな感じがした。そこが非常に残念。
もちろん台無しにはなってないから作品全体の価値を落とすものではない。3時間十分に楽しめた。それとノーランそのものが作った罪が確実にあるんだろうと思う。やはりシリーズに大きな鉈を振るったのはノーランだから。私のようなあまりこのジャンルに手をつけない人間も足を運んでしまうシリーズになったわけでもあるし。

それにしてもこんなのずっと作り続けるのは無理だと思うのだが、次作を匂わせるのはアメコミものの哀しい定め。
観客みんなが大人なら、まぁそういう終わり方だよなってなるだろうが、やはり一般的には期待してしまうんだろうな。。
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