名倉

レザボア・ドッグスの名倉のレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
3.8

今作を観て気付いたことは、「私はタランティーノ映画の無駄に長たらしい意味のない雑談メインの映画こそが好きだったのだ!!」…と。



タラちゃんデビューの今作は、普段の彼の作品ではありえないほどプロットが簡潔に無駄のない構成で成り立っています。なので、時間も100分程度ととても短くめちゃめちゃ見やすいのですが、個人的な欲を言うと、もっと尺を長くしてこいつらのどうでもいい会話を見たかった!泣



もしくはキャラ一人一人の過去を深堀りしてほしかった!!それくらいこの映画は面白かったということです。ホワイトとかピンクがキャラ的に好きだったので、彼らの過去がもっと知りたかったな~。ホワイトは、ギャングの割に異常なほど情に厚い人間だったので、なぜそういう人格になったのかが気になるところです。ただ、彼らは寄せ集めの強盗団で、お互いの過去をよく知らないからこそ、「裏切り者は誰だ」というサスペンスが生まれているので、あえてそれらを描かなかったんだろうな~と思うともどかしいところです。



時系列をバラバラにする手法や、残酷で容赦ないゴア描写は相変わらず健在で、「デビュー作からこんなことやってるんだな~さすがだな~」と思わされます。何より感服したのは、オレンジが冗談話を真剣に頭に叩き込んでいる場面です。台本を受け取りひたすら練習を続け、ギャング達の前で覚えた話を披露していると、まるでオレンジが実体験しているかのようなシーンに変わります。その演出がめちゃめちゃオシャレだし、役者が与えられた役を磨けば、それはもはや今見せているような本物にも成りえる、という「映画」媒体そのものに絡めた演出が施されるのもタランティーノ作品ではおなじみの手法。さすが生粋の映画オタ!!



クライマックスの盛り上がりも、「セブンやん!」って感じで、こちらの心情をぐちゃぐちゃに掻き乱してくる展開がまじで最高でした。



もう、タランティーノはうんこブラウン!!💩
名倉

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