雨虎

ドラえもん のび太と銀河超特急の雨虎のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

しばらくメッセージ性のある作品が続いたからか、エンターテインメントに寄った作品となっており、非常に気軽に見ることができる作品だ。
しかし、全く中身がないという訳ではない。この作品を鑑賞した時に頭に思い浮かんだのは長崎県の端島、通称・軍艦島についてだ。
端島が炭鉱として栄えていたがエネルギーが石炭から石油に移行することになり衰退していった。この様子がハテノハテ星群の鉱山として栄えていたが、資源の枯渇によって衰退しつつある。また、端島も結果として廃墟が観光資源となったように、ハテノハテ星群も観光によって衰退を止めようとしている様子が見られる。理由は少し違うものの似ているように感じた。
そこから導かれる事としては技術の使い方や地方経済、資源についてのメッセージがあるのではないかと考えられる。

また、技術については作中のミステリートレインは元々は移動手段だったが、どこでもドアにより使われなくなったとあり、技術の進歩により観光の場で利用されるようになった。他にドリーマーズランドの制御は中央惑星のコントロールセンターの一箇所でのみ行われており、そこに問題が発生すると破綻する構造となっている。
列車はいい例、コントロールセンターは悪い例ということだろう。新しい技術が常に良いものではなく、使い方によっては大問題に発展するということを示しているように見えた。
また、古い列車の使用をする場面があるが、これも新しい物ばかりが使えるものではなく、古くても使い方によるということなのかもしれない。

この作品での見どころとしてはのび太やジャイアンの活躍だろう。ジャイアンに関してはやや無謀だった面もあるが、結果として大活躍した。それも単に遊んでいるだけに見える忍者の星での仮免許皆伝の巻物を手に入れていたという布石によってだ。
のび太に関しては得意の射撃で目覚ましい実績を残している。瓶や缶を銃弾六発で何発命中できるかという試験で、のび太は一個だけであった。しかし、たった一個の缶に全て命中させるという離れ業を成し遂げている。西部の星でのイベントでも一瞬で相手を倒してしまった。
また、最後のヤドリとの戦いもヤドリ天帝に対して早撃ちによって倒すというのび太の射撃が存分に発揮された映画だった。
雨虎

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