雨虎

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲームの雨虎のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作に引き続き、スロー再生のアクションで推理が行われ、その通りに実行するという特徴はあるが、やや少ない。その代わりに、事前準備としてこういうことをしていたというシーンが多くなり、派手なアクションや銃撃などが増たことで今作の方が印象に残りやすい作品になっているようにも感じる。

原作『最後の事件』では正直、やっつけ仕事感のある内容でもあるため、ジェームズ・モリアーティの描写は原作ではあまり多くない。そこに政治的な背景、壮大な計画、テロと様々な犯罪に加担していることを明確に描写ことで、強大な敵という雰囲気がとても強くなった点は評価できる。
また、この監督だからこそではあるもののアクションが派手だ。そこにワトスンとホームズの以心伝心といえる連携が爽快でもある。他に出番は少ないが、スコットランドヤードによる捜査も大々的に行われており、あれだけやってまだ暗号の最初という場面もモリアーティの強大さを示しつつ、全員で打ち勝とうとするような雰囲気も良かった。
個人的にはセバスチャン・モランの狙撃シーンは短いながらも細かく描写されている点やモリアーティとホームズのチェスのシーンも心得がある者にとっては自然なものだったように思う。

ただ、今作の残念なところは一長一短ではあるものの、アクションに力を入れすぎているような気がする。他の監督であればもっと人物を掘り下げるようなシーンも多かったのではないかと思う部分はなくはない。
雨虎

雨虎