2003年公開、台湾・フランス合作の青春映画。
台湾の人気俳優、グイ・ルンメイとチェン・ボーリンのデビュー作で、イー・ツーイェン監督自らスカウトして主役に起用し、一躍脚光を浴びた話題作。この映画がきっかけで、今や二人は台湾映画界を代表する俳優に上り詰めている。
今回19年ぶりに二人がVOLVOのCMで共演したことで、台湾だけでなく、日本でも懐かしいと感じる声が多い。可愛らしく、幼かった二人が、眩しい大人になっている姿は、時の流れの速さを感じずにはいられない。
子供でもなく、大人にもなりきれない高校生の熱い青春時代のひと夏。
好きな男の子チャンに自分の気持ちを伝えて欲しいと親友のモンに頼み、ラブレターまで託すユェチェンだったが、チャンはモンが好きだった。
チャンの猛烈なアタックにも応えられないモン。親友を気遣っているだけでなく、モンは親友のユェチェンに恋心を抱いていたのだ。
女の子を好きになる自分に悩み、迷うモンの葛藤。キラキラ輝く台湾の夏の中で、高校生のまっすぐで悩み多いひと夏が瑞々しく描かれている。
今でこそ、普通に受け入れられるLGBT、性のアイデンティティをあの時期に、高校生という少女を通して台湾で映像化されているのが凄い。
「1年後、3年後、5年後、もし男の子を好きになったら連絡して」
サラッとそんな言葉が言えるチャンの男気。素敵な大人になって行くのだろうと思わせた。
突然、木村拓哉の名前が出てきて驚いた。彼の人気がアジアでも不動の時代だった20年前に思いを馳せて、温かな青春ストーリーを最後まで楽しんだ。