こなつ

フォロウィング 25周年/HDレストア版のこなつのレビュー・感想・評価

4.0
クリストファー・ノーラン監督が、1998年に発表した長編デビュー作。ノーラン監督の原点を鑑賞した。

本国公開25周年を迎えて2024年にノーラン監督本人が日本での公開を熱望。オリジナルの16mmエレメントを4Kスキャン。画面上の傷を最新技術で除去して解像度を上げたというだけあって、映像は白黒ながら驚くほど綺麗だった。ノーラン監督自ら監修のもと、完成度の高い映像とサウンドで劇場に帰ってきたという印象。

過去から未来、未来から過去へと交差する時間軸で、かなり複雑な構成。これでもかというどんでん返しの連続なのに、70分という短い時間の中に多くの仕掛けが張り巡らされていて、正に衝撃のデビュー作に魅せられた。

作家志望の男ビルは、創作のヒントを得るため、通りすがりの人々のあとをつける行為を繰り返していた。ある日ビルがいつものように男をつけていると、尾行していることがその男、コッブにバレてしまう。だが、コッブもまた他人のアパートに不法侵入し、私生活を覗き見る行為に取り憑かれていた。

限られていた予算の中で、白黒だったり、小道具にお金をかけていなかったり、カメラワークがシンプルだったり、それ以降ノーラン監督が手掛けてきた大作にはない魅力が詰まった傑作だった。

Filmarksで自分がフォローしている方の情報で知った本作。期間限定の緊急上映で鑑賞出来て幸運だった。

ハルさん、みぃ猫さん、情報を有難うございました。
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