merrydeer

ウィッチのmerrydeerのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
3.1
主演はクイーンズ・ギャンビット(未視聴)のジャケ写が激カワなアニャ・テイラー=ジョイちゃん!
とか言ってる場合ではなくなる絶望魔女ムービー。

1630年のイングランドが舞台でありつつ、「敬虔なキリスト教にのっとった生活を送るため、村はずれにある森の近くの荒地に引っ越してきた」とのプロットが示す通り、登場するのは基本的に質素な家屋とその付近に存在する森で狩猟や農業で生活する主人公一家のみ。

家族が一人、また一人と悲劇的な結末を迎える事で家族間に次第に漂う不安、不満、絶望、憎悪、狂気…。
信心深い故にそうした負の感情が肥大化してる様にも思えるのが何とも皮肉という。

不意に挿入されるあからさまにショッキングなホラー要素がむしろ笑い所に思える位、作品を支配する空気感が徹底して重々しい。
その様はエンタメではなく、アート的。

総じて、映像、プロット、演技、音響、諸々の作品を組み立てる全ての要素が一丸となって生み出される陰鬱なエネルギーは充満して腐臭まで放ちそうなほどに強烈で、そして、観賞後にはこっちのエネルギーもすっかりもっていかれます。
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