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アイリッシュマンのtoriten45のレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
3.5
アメリカ屈指の巨大労働組合の幹部、フランク・シーランの半生を描いた伝記映画です。労働組合とマフィアの蜜月な繋がりや絶大な権力を手にしたジミー・ホッファの素顔など近代アメリカのウラを面白く学ぶことができました。

シーランは数多くの殺人に関わったとされるとんでもない人物。そしてホッファは裏でマフィアと手を結び、長年にわたり不正行為を働いたとされるアメリカでは有名人なんだそう。

シーランがロバート・デ・ニーロ、ホッファがアル・パチーノ。2人ともマフィアじゃなかったんですねー。マフィアを演じるのはハーヴェイ・カイテルとジョー・ペシのほう。

二人がレストランでデ・ニーロを問い詰めるシーンが好き。これを期待して観たようなもんです。ハーヴェイ・カイテルもマフィアのボスに相応しい迫力でしたが、ジョー・ペシが特に素晴らしい……期待してよかった。

ジョー・ペシといえば『ホーム・アローン』シリーズ('90〜'12)や『リーサル・ウエポン』シリーズ('87〜'98)の面白おかしい役が定番ですよね。それが『グッド・フェローズ』('90)では短気で凶暴なギャング役を演じ、それはそれは凄みを超えて恐怖でした。

このレストランでのシーンでは、じっと黙ってデ・ニーロを見つめるだけ。なのに狂気と凄味がハンパないです。『グッド・フェローズ』の衝撃が蘇る…。
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