義清

キョンシー/リゴル・モルティス 死後硬直の義清のレビュー・感想・評価

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監督かっけーなって思ってたら、俳優でもあるらしい。でも、あんなに若くしてこれほどのものを作ったっていうのは並じゃない。冒頭からすごかった。自殺のシーン。異次元だった。道士が入ってきて戦うところで、壁にかかった鏡に顔面を突っ込まれるところがあった。そこで鏡に映った瞳孔に画面ごと吸い込まれ、同時に女の甲高い叫び声が響く。双子の亡霊は猫以上に関節が柔らかくなり、ヤモリのように壁を高速で這い回る。トンの幽霊も同様の動きをするが、長距離の移動の際には宙を浮遊する。道士が中華鍋で作るおこわ。慣れた手つきで酒を吹きかけ、鍋に火を入れる。道士の壁に掛けられた呪術の円盤。突起の先端に指を突き刺し、回転する溝に沿って血が流れ、水、木、土、金、火という文字とともにそれを味方につけてゾンビと戦う。物語の舞台は、共産主義建築の香りが強い無機質で不気味な高層マンションから一歩も出ない。なのに全然退屈しない。悪の導師は胎児の灰の煙草を吸い、陰の気を取り入れて呪力とする。ヤンは、まじないをかけたトンの死体の周りをぐるぐると回りながら話しかける。それをすごいアップで撮る。
もしCGがなかったら、この映画のゾンビや霊はどのように描かれただろう?ヤモリのように壁は登れても、カエルのように跳ねるなんてできないだろう。だとしたら、アクションはなくなるのか?
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