KnightsofOdessa

禁じられた歌声のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

禁じられた歌声(2014年製作の映画)
2.5
[] 50点

2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アブデラマン・シサコ長編四作目。走るガゼルを銃撃しつつトラックで追う男たちは"撃ち殺すな!疲れさせろ!"と言う。そして、砂漠に集められた部族の仮面が銃撃される。この短い場面にこの映画の全てが象徴されている。映画はとある牛飼い一家を追いながら、イスラム過激派に占拠された町の日常生活をスケッチのように見せていく。夜に鳴り響く音楽を止めに行ったら神と預言者を礼賛する歌だったり、サッカー禁止を言い渡された人々がエアサッカーに興じたり(そのくせ過激派もジダンの話とかしてる)、その姿勢はなんだかエリア・スレイマンっぽくもある。あと、意外と言語が入り乱れていたので、結局英語でしか通じない相手などもいたのには驚いた。飼ってる牛を殺された牛飼い一家の物語も含めて各挿話の鋭利な不合理性の指摘は興味深いのだが、詰め込みすぎたせいで底が抜けてしまい、全体的な印象は薄まってしまった。求心力が薄すぎて何度トライしても毎回同じとこで寝ちゃったおかげで完走までに多大な時間を要してしまった。
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