このレビューはネタバレを含みます
何を勘違いしたかチョコレートドーナツ好きのメンヘラ女子の映画とばかり思っていたが中身が全く違っていてびっくらこいた。
この映画、涙腺崩壊ていうけど本当かね?
舞台は1970年代。なので画素数低めのシーンが続く。ゲイのカップルがネグレクトな母親の元からダウン症の子供を何とか救い出し引き取ろうとボロボロになりながらも裁判で闘うみたいな話。
法律も人が使用する故にその人に偏見や思い込みがあればその法は健全に執行されない。
検察官は裁判に勝つ為には何でもやるし、裁判長は人1人の権利よりも社会全体を守る事を優先する。
私はその理不尽さを知っている。だからこそもっとキチンとリアリティを持って描いて欲しかった。
この映画は実話に基づいていると言われている。だがそれ自体はかなり大きな嘘がある。この脚本家は昔近くにゲイカップルがダウン症と住んでいたという経験から着想を得たらしいが裁判だとかそんなのはなかったらしい。
私がこの映画に失望したシーンは何点かある。
ルディが何故そこまで接点のないマルコを引き取って育てようとしたのか全く唐突で感情移入出来ない。
検察官が幾ら裁判に勝つ為とはいえネグレクトな薬中の母親と司法取引をして刑期を短くしようとしてまで勝つメリットがない。
裁判官や監察官などにわざわざマルコの死を手紙で伝えるポールの行動もあざとくて気持ち悪い。
なのでこれは多分実話ではないだろうなと途中で白けてしまった。実話じゃなければいけない訳ではない。ただありもしない話をでっち上げてマイノリティ差別というトピックを使ってヒット作を作り上げたり持ち上げたりする人達に鳥肌が立つほど気持ち悪さを感じるだけだ。
この映画の1番好きな登場人物はマルコの教師役のケリー・ウィリアムズだ。彼女がこの映画の唯一の救いだ。「Lie to me」に出てくる女優さんで本当にもっと出てきて欲しい好きな女優さんの一人だ。